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2005/05/05(木)
あー、せからしい。
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この日俺はポスティングの作業を終え、現場から相模原駅に向かっていた。 赤信号に足を止める、その瞬間に2人の若者が俺に話しかける。 「私たちは神が実在することを知っています。」 うわっ、捕まっちまったよ。振り切る気力もねーし、付き合ってやるか。 街頭勧誘やテレアポを撃退したときの快感は、 自分の上げた二段トスをレフトがバチコン!とやってくれたときのそれと同等である。 ゴングが鳴り響いた。
J・スミスは140年前、修行中に森の中で神とイエスに出会った。 そこで、神に既存の宗派を否定されモルモンの教えを始めたのだとさ。 それについての感想を求められる。 「ヒステリー状態になって神を見た気になったんだと思います。」 始祖さんを軽くキチガイ認定してみた。いや、こんなのはほんのご挨拶。ジャブに過ぎない。 奴ら―「どうしてそのように思ったのですか?」いい質問である。 そこで俺は高校時代の友人が身内の不幸の後に発狂、周囲に「神を見た」と洩らすようになり、 2週間後に電車に飛び込んで自殺したエピソード(全部USO・DA・YO!)を披露した。 対して、奴らはこう切り替えす。 「お友達が見たのは本当の神ではありません。」 「神は私たちみんなを慈しみます。」 うん?奴らの主張が正しいことを証明するには次の二つのことを同時に言わなければならない。 「友人の神が偽」であり、「自分たちの神が真」であることだ。 しかし、後者については後日会わないと教えてくれないらしい。 これでは話にならない。片手落ちである。顔を洗って出直して来いってんだ。 もう、この時点でこっちが撃退することも、迎撃されることもなくなった。 後は流すしかない。
最後に三人でお祈りを奉げ、アーメンを合唱することになった。 初心者はお祈り中に走って逃げ出すのだが、まさかこの俺がそんなことをするわけにはいかない。 ZA、ZA、この2文字が俺の頭の中を駆けずり回った。 さすがに、ここで下ネタはないだろう。「神ちゃま」への冒涜である。 結局疲れていた俺は「ハーメ」とか適当に言ってその場を逃れた。 かなりのヘタレっぷりだ。猛省が必要。 あー、繰り返される諸行無常。せからしい世の中である。
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