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2005/10/06(木)
日本のまずいラーメン屋探訪
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まずいラーメン屋探訪、第一回目は本郷の「とまと」を特集します。 ある日の昼休み、まだ1時前だというのにこの店は空席が目立っていました。 その様子を見ただけでまずいラーメンが食べられそうな期待に胸が膨らみます。 そして、一歩店の中に入るとギトギトの床の上を歩いている感覚が靴底から伝わってくるのです。 おまけにどうでしょう、店内はほのかに雑巾のにおいが漂っているではありませんか。 これはきっと、まずいラーメンを出す店に違いありません。 さて、店内に入って味噌ラーメンを注文すると、 入り口に一番近いところに座っていたババアがタバコを吸い出しました。 ラーメン店は通常、強力な換気扇を使っています。 その店の空気は入り口から入って換気扇からでるという流れでした。 ええ、ですからババアのすったタバコの煙が店の中を横断するのです。 きっと初めて来た私を客の一人が歓迎してくれているのでしょう。さすが、まずいラーメンを出す店です。 味噌ラーメンを注文してからおよそ5分。一向にラーメンが出てくる気配はありません。 きっと、どんなまずいラーメンが出てくるのかを想像する時間を客にプレゼントしようという 店主の粋な計らいなのでしょう。抜け目がありません。 やっと、出てきたラーメン、おや?ボリューム満天に見えますが・・・。 まずいラーメン屋にありがちな質より量というやつでしょうか?いや、違うのです。 ただ単に、どんぶりが広くて浅いだけなのです。 どんぶりの口の広さで、量を多く見せる、なかなかいじらしい演出をするものだと私は感心しました。 そのラーメンを一口味わってみて、私の期待は失望に変わります。 まずくないのです。10分近くタバコの煙に巻かれて待った私の苦労は無駄だったのでしょうか。 いや、無駄ではありませんでした。さすが私が見込んだラーメン屋だけあって、 手堅くうまくないラーメンを出してきました。 味噌のスープは薄すぎて味がよくわからず、麺は水っぽい安物だということがすぐにわかります。 さらに、チャーシューは生臭いにおいが。あと少しでまずいラーメンとなるところでしたが、 いまひとつインパクトが足りませんでした。 この店の売りはスープに化学調味料を使っていないことだそうですが、私には単なる言い訳にしか聞こえません。 うまくないラーメンを食べた後、私は600円を払って店を出ました。 そして、油まみれの靴の裏を引きずるようにして本郷キャンパスへと戻ったのです。(次回につづく)
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