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2004/04/29(木) 汚い話でごめんなさい。
常識とは僕たちの日常の投影にすぎない。
言ってみれば誰もがみな、習慣の範疇でしか常識を捉えることはできないのだろう。

習慣というものの与える安心感は時として残酷なほどのダメージを僕らの思考中枢になげかけるものである。それが常識というものの本性なのだから、僕らはそれを予期することも、防ぐこともできはしないのだ。


今日、
帰り道にまた腹が痛くなった。
冷や汗とともに、なにかが直滑降で下ってくるのがわかる。
・・・やばい・・・
ぼくは近くのカフェに入り、平静を装いながらトイレを借りることにした。

…セーフ。
間に合ったことへのささやかな安心感と、腹痛時に特有の緊張感が同時に身心を襲った。そして、嵐はまたすぎていった。

しかし、全てが治まったわけではない。この腹痛はいつになったら去るのだろうかと試合前の体を案じてみた。わからない。が、休みが必要なことだけは感じていた。



そういやこのトイレ、鍵かけたっけ?

全く関係のない疑念がふいに頭をよぎったことに、自分自身驚いてしまった。
気になって鍵のほうを見遣る。
鍵は水平になっている。なんだ、閉めてるじゃないか。
くだらない心配をしてしまうこと自体が僕の落ち着きのなさを物語っているように思えた。
そしていつ戻り来るかも知れない嵐に備えて、僕は再び身を屈めた。


ガチャッという音がした。ドアノブをゆっくりと下げる音。
僕は「入ってますよ」のノックをしようと手を伸ばした。

ドアは、開いていた。

若い女性だった。キャッという短い叫び声。
僕は露になった自分の半身を隠すよりもはやく、ドアを押し込もうとしたが、皮肉にもドアはその女性の右肩を挟んだまま閉まらず、僕と彼女の眼が合った。

最低最悪の事態。

ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返し彼女に謝るしかなかった僕を、明日の自分はどんな気持ちで反芻するのだろう。
そう、その時の僕はただ、ドア越しに響く彼女の大きな笑い声に身も心も縮まりながら耐えるしかなかったのだ…。



この鍵は垂直にして施錠するのか。
どんな表情で表に出ればいいのかもわからず、そもそも自分が女子便所にはいっているのではという不安も消せぬままに10分以上の時をトイレの中ですごした僕は、目の前の鍵をみながら常識とはなにかを思った。 


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