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2005/08/06(土)
『亡国のイージス』
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今年公開される福井晴敏関連の映画三作、その本命である 『亡国のイージス』を観てきました。
ストーリーは・・・ 海上自衛隊の最新護衛艦(イージス艦)いそかぜの士官全員がクーデターを起こし、 日本政府に対し隠蔽されている事故、事件の公表を迫る。 彼らの手には1,200万人を殺傷する能力を持つ 最新の化学兵器がある。 様々な人間の想いが交錯する中、いそかぜは東京湾へと進入する。 果たして、クーデターは止められるのか・・・。
映画全体としてはよくまとまった作品に仕上がっていると思います。 が、やはり時間不足の感は否めません。
原作は非常に長い小説で、映画化して2時間でまとめられるのか 若干の不安がありました。 ある意味ではその不安は的中しています。 と言うのも、原作で緻密に語られている、それぞれの人物の背景を あっさりと流してしまっているからです。 非常に複雑で、微妙な『想い』を持って行動している各登場人物なのに、 そこがきちんと表現されなければ、観る側にとっては情報不足になってしまい、 展開についていけなくなるのではないかと思えます。 原作を読んでいればそんな事は無いのでしょうが・・・。
その他にも、全体の構成としてここはこうした方がとか、 F−2のカットはもう少しバリエーションを用意できなかったのかとか、 ラストシーンはもう一工夫欲しい等々、
では、映画として駄目なのかと言うとそういう訳ではありません。 きっちり仕上がっているからこそ部分部分の不満が出てくるのです。 更なる完成度を要求してしまうのは、観る側の身勝手というものでしょうか。
なんて偉そうな事を言いつつ、ハープーンが発射されて、 VLSからシースパローが飛び出して、 127mm砲が火を噴いて、 近接防衛だったらファランクスCIWSだろ、 なんて、しっかり鳥肌立てながら握りこぶし握ってた私って・・・(笑)
by克由紀
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