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2005/07/30(土)
『FLY,DADDY,FLY』
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堤真一祭り(笑)第二弾として、『FLY,DADDY,FLY』を観ました。 内容もテーマも単純明快で、観やすい映画に仕上がっていると思います。
ストーリーは・・・ 妻と一人娘を養い、一家の長として順風満帆、 暖かい家庭を何の問題も無く守り続けてきた主人公であったのだが、 理不尽な暴力で娘が傷つけられた事から、一家の絆にヒビが入る。 果たして父は『大切なもの』を守る為に何ができるのか・・・ というものです。
日本映画らしくハリウッドとは違うスタンスで、 一人の人間にとって『大切なもの』とは何なのかを描いた映画に 仕上がっていると思います。 観終わって気持ちの良い映画ではあるのですが、 若干の不満も残りました。
先ず、理解出来なかったアイテムがあった事。 一寸したもので、それにどんな意味があるのかを読み取る事が出来ませんでした。 私が見落としただけだとすると、間抜けな話ですが。(笑)
もう一つ根本的な問題で、堤真一演じる主人公と、 その主人公を鍛える岡田准一演じる高校生との繋がりが緩いと思える事です。 タイトルの『FLY,DADDY,FLY』は娘からではなく、 岡田の演じる高校生から堤真一に向けて放たれる一言であるのは 間違いないと思っています。 ただ、この赤の他人である筈の両者の関係が、 如何にして深まっていくのかを描く部分が中途半端であるが故に、 ラストシーンを観たときに、中途半端なものが心に残ります。 確かに、ストーリー中にそれらしいシーンが挿入されていますが、 他人に心を許すというのはそんな単純な会話に拠るものではないだろう、 と考えてしまうのです。
更に言わせてもらえれば、そのシーンのビジュアル面での演出が最低で、 『そのライティングは無いだろ!』って、心の中で突っ込んでました。 私だったら逆光を生かして、ほぼ完全なシルエットで、 エッジの部分にだけ光の廻り込みを生かして・・・なんて生意気な事を考えたり。 話の一つの核となるべき部分が中途半端なので、 そういう意味では残念でした。
などと色々不満も漏らしつつ、それでも映画全体としては、 軽いお笑いも含めた上で日本映画らしいシリアス感で、 よくまとまっているので、2時間楽しめた作品です。
by克由紀 −次回 最終回 『亡国のイージス』−
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