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2005/10/17(月)
『ステルス』
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飛行機好きにとってはたまらない映画だと思う。
ストーリーは単純で、観る人によっては単なるバカ映画だと
言われてしまいそうだが、観終わってすっきりした気分になれる。
ＣＧ技術の進歩により、仮想物の映像化は格段の進歩を見せている。
見せ方の工夫の効果もあるのだろうが、映像での違和感はほとんど無い。
ただ『トップガン』と比較すると、飛行機をじっくりと見る事はあまり出来ない。
高速感や高機動性を表現する為か、画面のブレを多用している為である。
やり過ぎだという感も無い訳では無いが、映画全体のバランスを崩す程ではない。
ストーリーに関しては、当初自分が考えていたものよりも少しだけネタ数が多かったので、
嬉しい誤算という感じで結構満足できた。
単に暴走した無人機と有人機の戦闘では、『マクロス・プラス』のラスト
そのままになってしまう。
今回の映画でもっとも驚いた点としては、実在の国名が映画の中に出てくる事である。
タイ、タジキスタン、パキスタン、ロシア、北朝鮮、
これらの国名はそのまま映画の中に登場する。
『トップガン』の頃には国の実名が出てくる事は決してなかった。
デザイン面に関しては、一寸だけ物足りない感もある。
メインになる戦闘機は、エースコンバット４（ＡＣ４）
をやった事のある人にとっては御馴染みのデザインかも知れない。
と言うのも、そっくりな機体が登場しているからである。
可変翼が前方へ倒れ、デルタ翼形態になるところまでそっくりだった。
無人空中給油機という一種空中要塞じみたものまで出てくるが、このデザインはいただけない。
まるで、ファイナルファンタジーにでもでてくるような、
錆と油の匂いの詰まったデザインになっているのである。
これも最新鋭機である訳だから、スカイグレイ系の航空迷彩を施した
端整なデザインの機体であって欲しかった。
音響面では、最初のカットは実に素晴らしい。
航空機が飛行する際の衝撃波が脳天を突き抜ける。
これが全編続けば良かったのだが、残念な事に冒頭だけだった。
全体的に、実に好みに合う映画だった。
飛行機マニアの視点かもしれないが、ちょっとしたカットが非常に格好良く、
そういうカットの数が多いので、ストーリーの稚拙さや演出の甘さには目をつぶっても良いだろう。
空母の傍にイージス艦がいたカットには少々驚いた。
それ自体は艦隊行動として当然の事なのだが、あまり映画では見かけないカットだ。
総合評価は７０点といったところだろう。
気分的にはゲームのＡＣシリーズの映画化作品という感じがどうしても拭えないので、
そこを大幅に差し引いて、格好良い映像部分だけを評価しようといった感じだろうか。
ｂｙ克由紀
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