素晴らしき冒険
重い画像だらけなので
ナローバンドの方にはきついかも…。
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2004/03/01(月) ある日の会話15(シナリオではありません)
2月29日 PM11:30…。
宿の亭主達も自室に戻る頃、
トゥモは1人酒も飲まずにカウンターに座っていた…。

そんなトゥモの肩をポンと叩く1人の男がいた。
トゥモはその男の手を軽く振り払った…。

ヒキン「やれ、相変らずクールだね。
    今日、ボクはフリーなんだけど…どう?」


トゥモ「バカでしょ、あんた。
    断られるって分かってて聞く?」


ヒキン「ははは、当たって砕けろさ!」

笑うヒキンを冷めた目で見ながらトゥモは答えた。

トゥモ「あなた、人生にプライドも何もないの?
    振られると分かっていて告白なんて格好悪い…。」


ヒキン「は?」

ヒキンの表情が急に険しくなる…。

ヒキン「…今のは聞き捨てならねえ。」

トゥモ「…文句があるなら言いなさいよ。」

ヒキン「…オレに人生のプライドがないだと?
    オレにはあんたの方が腐ってると思うがな。」


トゥモ「何ですって?
    あなたと違って私は高い教養もあるし
    キャリアもちゃんと…!」


ヒキン「教養とかキャリアってそんなに偉いのか?
    …その"意味がねえプライド"が
    てめえの恋愛の全てを腐らせてるんだよ!
    告って振られるのがそんなにダサいか?
    …何もできずに終わる方がダサいんじゃねえのか?」


トゥモ「……。」

ヒキン「…幸せってのは待っていたって来ねえよ。
    あんたの手で捕まえようとしてみろよ。
    例え"青い鳥"が捕まらなくても気持ちは随分楽になるぜ。」


トゥモ「……ヒキン!」

ヒキン「……頑張れよ。
    振られたらオレの胸を貸すからさ。」


トゥモ「…ありがとう。
    はじめてちょっとだけあなたが格好良く見えた。
    …でもあなたの胸は借りない。」


トゥモは足早に階段を昇っていった…。

ヒキン「…所詮、オレは不要か。」

ヒキンは自分の取り置きの酒をグラスに一杯注ぎ
一気に飲み干した…。

―――2Fのマサの部屋の前…。

トゥモ「……。」

トゥモはマサの部屋をノックしようとしていた…。
だが、手が震えてその先の行動が取れない…。

トゥモ(…駄目だ、やっぱり怖い。)

がちゃ。

マサ 「うわっ!?
    …な、何してるんですか!!」


トゥモ「な、なんでもない!」

マサ 「そうですか…。
    手洗いに行くんで退いて頂けますか?」


トゥモ「う…うん。」

トゥモはさっとその場を退く…。
手洗いへと向かうマサの背中を見ながら
小さく溜息をついた…。

トゥモ(……言わなきゃ。)

――数分後。

マサ 「あれ?
    まだ人の部屋の前にいたんですか?
    もしかして私に用が???」


トゥモ「…うん。」

マサ 「?」

トゥモ「…マサの事が好き、です。」

マサ 「は?
    …あはは、また人をからかって…。」


トゥモ「私は…本気!
    ……でも"大事な人がいる"って言ったよね…。
    答えは分かっているからいらないよ。」


マサ 「……。」

トゥモ「…男に振られるなんて情けないな。
    情けないけど正直すっきりした!
    …じゃあね、これからも仲良くやっていこう。」


くるりと踵を返すトゥモの手をマサが握る。

マサ 「…私の方が情けない男です。
    …私は、婚約を前提とした幼馴染がいながら
    私もあなたにずっと惹かれておりました…。」


トゥモ「…!」

―――3月1日 AM8:00…。

トゥモ「……うぅん。
    今…何時なの?」


マサ 「お早うございます、8時になりますよ。
    私も朝の鍛錬に行きそびれてしまいました。
    …はじめて、ですよ。」


トゥモ「…体験自体もはじめてだったよね。
    …まだまだって感じだけど、楽しかった♪」


マサ 「……。」

マサは一気に顔を赤らめ目線をそらし
頬を右手の人差し指で掻く。
そしてマサが何か言おうとした時、
マサの部屋をノックする音が聞こえた…。

トゥモ「…!」

トゥモは布団の中に隠れ、マサは扉を開けた。

キーミ「…マサ君、おはようございます。」

マサ 「お早うございます…。」

キーミ「いつもこの時間は全開になっている
    マサ君の部屋のカーテンが閉じていたから
    寝ているかと思ったら…案の定みたいでした。」


マサは苦笑いをした…。

キーミ「…お客さんですよ。」

キーミに紹介されてその客は姿を現した。
その客は10代後半ぐらいの女。
…もちろん、マサは彼女が誰だか知っていた。

マサ 「…テレグ!」

テレグ「まーちゃん、お久っ!
    冒険者してるって手紙来てさ、
    あたしもやってみたいなーって思って
    島を飛び出してきちゃった!」


マサ 「……。」

テレグ「今度からあたしも仲間よ。
    いつでも一緒だからね!」


トゥモ(あの娘が…。)

トゥモは複雑な心境でその様子を見守っていた…。

                 ある日の会話15:END


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