素晴らしき冒険
重い画像だらけなので
ナローバンドの方にはきついかも…。
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2003/12/18(木) ある日の会話6(シナリオではありません)
ユタ 「ったく…。
    クニンの奴、迷惑かけやがって…。」


今の時刻は夜10時。
昼頃に「ちょっと出かけてくる」と言ったっきり
クニンが戻ってこない。

たまたま宿にいたユタが亭主に頼まれ
捜しに行く事になった…。

ユタ 「あいつって昔から変わらねぇ。
    …思い出すな、同じ釜の飯を食ってた頃。
    今と同じクリスマス時期だったかな…。」


――――――――――――――――――――――――

――3年ほど前のクリスマスイヴ。
時間は夜9時…。

ユタ 「クニンの奴、何してんだ?
    …飯が冷めちまうよ。」


ミユ 「…本当だね。」

ユタ 「・・・先生。
    こんなにクニンが遅いんなら先に食べましょう。
    …ついでに戻ってきたら罰を与えるべきですよ。」


ミユもユタの言葉にうんうんと頷く。

キーミ「・・・・・・。
    分かりました、先に食べましょう。
    そしてクニンには罰を与えましょうか。」


そうして、11時を回った頃…。
ようやくクニンが帰って来た…。

キーミ「クニン!
    今、何時だと思っているのですか?
    クリスマスだからといって
    門限を破っていい事はないんです!」


クニン「…すいません。」

キーミ「…可哀想ですが、
    外で立っていなさい。
    よく頭を冷やしてきなさいね。」


クニン「…はい。」

クニンはとぼとぼと外へ出て行った…。

ユタ 「…あいつには可哀想だが、
    こっちの気持ちも分かれってこった。」


そうして自室へと戻ったユタ…。

ユタ 「それにしても寒いよな。
    雪でも降るのかな?」


カーテンを開けて窓の外を見る…。
どうやら雪の気配はないようだが…。

ユタ 「・・・これは?」

吊るされている靴下…。
その中には…。

ユタ 「おれが欲しがっていた…万年筆か?
    いや、違うな…これは安物だな。
    …うん、これはクリスマスカードか?

    『メリークリスマス、ユタ。
     お金がないから
     似た様なものしか買えなかった。
     良かったら使ってね。

               クニンより』

    ・・・クニン!
    おれはなんて事を…!!」


ユタはぎゅっとそれを抱きしめる。

ミユ 「ねえ、ユタ…!!」

右手に推理小説を持ったミユがひょっこり顔を出す…。

ユタ 「ミユもか…。
    …おれ、クニンに礼を言って来る。
    そしておれも外で頭冷やしてくるよ!」


ミユ 「待って、ぼくも行く!」

外へと駆け出す2人…。

キーミ「ふふふ・・・。」

全てを知っていたキーミはそんな様子を見てにこりと微笑んだ…。

――――――――――――――――――――――――――

ユタ 「・・・ったく、馬鹿野郎が。」

ユタが感傷に浸り公園を歩いていると
茂みの中から聞き覚えのある男の声がした…。

ユタ 「クニン!!」

ユタは猛ダッシュでその場へと駆けつけた…。

クニン「・・・ユタ。
    ・・・ごめん、オレ・・・。
    皆にプレゼント買おうと思ったのに…、
    チンピラの集団に金、殆ど取られちゃったよ…。
    しかも服まで…。」


ユタ 「なに、素っ裸か?」

クニンはこくりと頷いた…。

ユタ 「…情けねえ奴。
    とりあえず俺のコートでも羽織って帰るぞ。
    …お前にはちょっと小さいが
    大事な部分ぐらいは隠れるだろうからな…。」


こうして2人は並んでファレノプシスへと帰っていく…。

ユタ 「・・・お前、レベル10だろ。
    相変らず情けねえ奴・・・。
    …それにおめぇはそうやってプレゼント買ったり
    人の言いなりにすぐなるからなめられるんだよ。
    ・・・まあ、俺は逆だから好かれんが。」


クニン「・・・だって。」

ユタ 「だってもクソもねえよ・・・。」

ユタはそういってジャケットからあるものを取り出した…。

ユタ 「覚えているか?」

クニン「3年前の・・・。」

ユタ 「そうだ、
    既にインクは切れてるから使えないが
    ・・・その、お守りにしてるんだ。
    …ミユもあの小説いまだに読んでるんだってな。
    大事なのは品物じゃないだろ。
    …俺たちはそれをお前から教わったんだ。」


ユタはクニンの右手をぎゅっと握った。

クニン「ユタ・・・。」

ユタ 「お前はパシリ、俺は嫌われ者。
    …駄目な奴同士、仲良くやって行こうぜ…。」


クニン「うん・・・!」

                  ある日の会話6:END


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