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2012/03/17(土)
第29回市民環境問題講演会
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第29回市民環境問題講演会 (2012年3月3日 青梅市民会館)
「原発・放射能汚染とゴミ焼却」 講師:広瀬立成先生
講演要旨
講師は物理学者として、町田市ごみゼロ市民会議、ゼロ・ウェイスト運動に関り、著書名『物理学者、ゴミと戦う』の通り、ゴミと戦っておられる。講演の前半は、ゴミ一般と原発と原発(事故)後について。後半は町田市でのゴミゼロ・ウェイストのお話であった。 物理学者が何故にゴミを研究するのか?何故なら、全国の一般(家庭)ゴミだけで年間 5,000万トンをも排出し、3.11の放射能ゴミ、水俣の水銀ゴミを撒き散らす社会は、環境・資源を使い捨てする『非持続社会』だからである。持続できなければ、我々の子孫の世代に世界を残せないことを憂慮し、科学者としての観点から関わられる。物理学の『質量保存の法則』・『物質不滅の法則』からは、生物・生産・経済行為などは全て環境エンジンの活動であり、資源は(ほぼ)100%が廃棄物となる。持続性を維持して行くには、大量生産・消費社会が作り出す有害ゴミ(目に見えないNOX, SOX, CO2をも含む)を蓄積するのではなく、適量の生産・消費・廃棄を(真の循環)持続社会に、2R(リデュース・リユースの2R。リサイクルは環境に負荷をもたらすので最近は推奨しないと)を徹底することで、資源を再使用、再資源化する社会に変換していかなければならない。まさに経済学者シューマッハが唱えたように SMALL IS BEAUTIFUL の社会への転換なのである。
原発については、「大きな事故原因となる事実は過去になかったことは勿論、将来にあるとも思えない」という原子力の安全神話のもと50年近く推進されて来て、もろくも崩壊した。(この期に及んでも、未だに廃絶は約束されていないが)しかし、原発をやめてもフクシマに限らず、核廃棄物の保管もままならぬ原発政策は、安全ではない。この問題は着手した時間からリスクを背負った、国・企業・政府、そして市民の責任でもあるのだ。 しかし出来るだけリスクを少なくしていくことは、まだ出来る。
人類(ありとあらゆる生命を含めて)は、地球の40億年の産物なのだから、人類がいつまでも生き延びられるよう、生命の持続性を計らなければならない。それは我々、市民の責任である。これからも広瀬先生には物理学者として事象を客観的に判断して、是非を問うて頂きたい。 記録 古澤
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