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2011/12/03(土) 第28回市民環境問題講演会
第28回市民環境問題講演会 講演要旨 
                   2011年11月3日 青梅福祉センター
「近代の終焉と原発」
              講師:中村 敦夫 さん
  
無精ひげを許して欲しい。来年のNHK大河ドラマ「平清盛」のおじいさん役で出演するための役作りゆえ。最近、二冊の本を出した。ひとつは個人的には種田山頭火に傾倒している。『カラス鳴いて私も一人(山頭火物語)』を出版し、自分で芝居もする(明大前の小劇場で、11月5日、6日)。何故、この本を書いたか? 明治以降の激しい近代化、自然破壊と血で血を洗う競争の時代で、山頭火は、落ちこぼれである。自分の救い、癒しを求めて、放浪の旅に出る。矛盾のなかで純粋に生きたことに共感をおぼえる。

もう一つは、本日のテーマである『近代が終わる』、まさに3.11に重なる時に『簡素なる国』を書いた。これは同志社大学大学院での3年間行ってきた講義を要約したもので、それは、講師である自分、中村敦夫の現場主義からの自分の人生と世界を総括したもので、人生で一度きりしか書けないものである。

いろんな事件が起きて、危機的状況にある『近代』を総括することが必要であると思う。テレビや新聞では、部分的で、それが損か得なのかのチマチマしたことばかりゆえに、大きな構造的問題、実際に起こっている大きな危機、ともすれば人類の終焉となるかも知れない、その近代のモデルの総括と構築が必要なのだ。講演者は、いろんな職業(どこでも戦いばかりで疲れるが)ジャンルで働き、巻き込まれ、社会の仕組みたるものを見ざるを得なかった。学者ではない私が、自分の人生で修羅場を潜ったものとして、総括をする。(講演者は自分のことには関心がない、と言われる。これは役者がナルシズムの境地に立つとは全く反対のことなのだが)。

『近代』とは、膨張主義、経済を(神の言葉のごとく用いる)グローバリズムである。
『近代』とは、産業革命から二つの理論;無限の経済成長と科学技術万能主義の理論の二つのレールに乗ったものだが、これは暴走する、即ち、破局への理論であったのだ。

人類の未来を閉ざす四つの壁
1. 戦乱拡大(兵器技術の発達、大量殺戮兵器、世界は血みどろ、核兵器=危険すぎる)
2. 環境破壊(成長のための資源収奪、有毒物質で満ちている)
3. 人口爆発(先月末で世界人口は70億人、2050年には90億人との予測、主要国では日本だけが減少しているが、人類としての種の限界が来ているのでは)
4. 経済崩壊(ギリシャに限らず世界中の国々が財政赤字、成功している国は一つもない)

これらの問題は普通の人が考える話ではないかも知れないが、リーダーだろうと普通の人だろうと避けては通れない問題である。狩猟と採集の時代から、農業(食料の計画的生産)を発明してから、人類の文明の大転換である『産業革命』まで、一万年間、地球の人口はずーっと5億人だった。つまり手仕事によるだけでは地球が養える人口は5億人が限界だったとも言える。しかし『産業革命』が起こり、即ち経済成長至上主義により農業から工業への転換がなされ、食料などの大量生産が可能になり、1960年は30億人だった人口が、それから40年で二倍以上の70億人にもなった。経済成長至上主義は(資本主義だろうが社会主義だろうが)生産の拡大を求め、それは生産人口と消費人口が増えることで、安い労働者を求め、発展途上国の人口爆発を招いてしまった。当然、食料不足、水不足が顕在化してくる。例えば、18世紀の産業革命まではひとつの家に5人で暮らしていたのが、今は70人家族の大世帯となったのである。限界に来ていることは間違いない。当然、人口削減の動きもあり(木枯紋次郎も蒟蒻を被せられて、間引きされそうになった)、ユダヤ資本がそれを研究し、それは有色人種差別や優生学となり、それが皮肉にもナチスのユダヤ廃絶にも形を変え、ひいては大量破壊兵器へと。人口爆発での経済への負荷は環境の限界を超えているからである。

 戦争の原因について。そもそも誰も好きで戦争をやる訳はないだろうが、古来からモノの奪い合い、『貪欲』に始まる。15世紀の大航海時代からのスペイン・ポルトガルによる第一次戦争のグローバリズムが重商主義で、化石エネルギーの産業革命による農業から工業への産業シフトが、資源と市場を植民地に求めての獲得競争が、第二次の戦争のグローバリズムとなり、二つの世界大戦を引き起こす。結果として、(侵略は神の意思との国是の)アメリカの一人勝ちとなり、その戦略は尖兵を送り、現地を混乱させ、国際問題を起こし、鎮圧する。戦争は経済発展のための手段なのである。死の商人に留まらず、戦争は総需要を喚起、拡大する。経済は侵略を、戦争を正当化するし、中曽根はその『不沈空母』発言にみられるように、我が日本をそのパシリ、補助機関としたのである。中曽根は短期ハーバード留学後に、原発の平和利用として開発予算を国会で通し、正力松太郎は特高出身ながら読売新聞を通じて、キャンペーンする。同時期に第五福竜丸の事件などがあったが、アメリカの謀略にのって、戦争は経済のため。経済は大切でありがたきものゆえ、結果として戦争もやむなし、としてしまった。


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