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2008/05/27(火)
第23回市民環境問題講演会
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第23回市民環境問題講演会 報告 08.5.11 青梅市民会館 「ごみ焼却・エコセメントについて考える」 −未来につながるゴミ問題の解決へ向けてー 参加者40名 講師 広瀬 達成 氏 早稲田大学理工学術院総合研究所教授、元町田市ごみゼロ市民会議代表 講演では、ごみを「燃やさない・埋めない・作らない・かわない」を基本理念として、市民と行政と専門家が協働して取り組んだ町田市ごみゼロ市民会議代表としての取り組み、物理学者としての現代のごみの特性と問題と解決の方向性など、示唆に富んだお話を聞かせていただきました まず、−ゴミの総量を減らす− 物理学の基本原則から ・ 環境エンジンのしくみ 資源を環境エンジンで使い仕事をすれば必ず排気と廃棄がある。 ・ 物質は不滅であり「燃やす、埋める、水に流す」でも有害物質の総量は変わらない。 ・ 自然ゴミは資源として循環、人工ごみは循環せず蓄積されていく。 ・ 有害物質の「長期・微量・複合」の蓄積された総量汚染と生物濃縮が恐ろしさ。 エコセメントと核廃棄物は究極のごみであり絶対資源にはなりえない。また、ごみ(人工ごみ)の発生を抑制していかない限り毒性と税金の無駄遣いのエコセメントは続く。 次に、−ごみ問題の解決は市民の手から− 町田市ごみゼロ市民会議の取り組みから ・ 多様な考えを出しあい、市民が納得する方法で効率主義でない市民会議の取り組み。 ・ 実証実験として地域でできる削減、資源化などの具体的な提案と実践の取り組み。 ・ 市民が持ち込み、市民が分けられるシステム作りで、税金でのコストを低くする取り組み。 ・ リサイクルではなくリユース(エネルギーと費用の削減)がよく、そのシステムへの取り組み。 ・ 見て、触れて・感じる環境教育を子どもにも成人にも老人にも行う取り組み。 ・ 市民主体で行政を監視し、行政に水をやり育てていく取り組み。 * 市民会議は2007.11答申、町田市中期経営計画重点プランとして予算化され実現へ向けて動く。 まとめー<もったいない10訓> 広瀬先生のもったいない精神の言葉 ・もつと使わない(もつと使わせろ) ・捨てない(捨てさせろ) ・無駄遣いしない(無駄遣いさせろ) ・季節を忘れない(季節を忘れさせろ) ・無駄な贈り物をしない(贈り物をさせろ) ・組み合わせて買わない(組み合わせて買わせろ) ・きっかけに投じない(きっかけに投じろ) ・流行遅れにしない(流行遅れにさせろ) ・ 気安く買わない(気安く買わせろ) ・混乱を作り出さない(混乱を作り出せ) ( )内は、1960年代に電通PRセンターが作り出した戦略10訓で多くの企業戦略として使われた。 <ごみの取り組みは4Lで> もったいない文明の実現へ向けて Local(地域) Low cost(お金をかけない) Low tech(ハイテクでない) Low impact(環境負荷の少ない) 質疑では、参加者の大学生の「今までのごみについてはどうするのか」の質問に対して、 ・ 私たちの世代が悪いことをしてきたことを認識すること。 ・ 完全に無害化は不可能であるが、ローカルの範囲で未来に負荷が少なく最良の技術で対応。 ・ 事実を隠さないで公表、対処方法を市民が考え、市民や周辺住民が納得する方法での対応。 余禄 講演会後、先生を囲んで茶話会と懇親会がもたれました。 ・ 先生は午前中にエコセメント工場や処分場の現地見学、そのバイタリティーに一同驚きました。 ・ 「たまあじさいの会」活動助成でお世話になっている高木基金の創設者故高木仁三郎氏とは学生時代からの知り合いであったと聞き、一同不思議な繋がりを感じました。 ・ 科学者としての実績を市民の立場から生かしている先生の姿勢に一同敬服しました。 《推薦図書》 講師の著書 「物理学者、ゴミと闘う」講談社現代新書 720円 「図解雑学 地球環境の物理学」ナツメ社 1430円
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