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2005/05/12(木)
やっぱりおっさんは凄いのだ
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7日のアナザードリーム10周年イベントはすごい盛りあがりだった。お客さんもオーナーもすごく喜んでくれたし、店長のメタル君にも少しは恩返しが出来たかと思う。出演者も俺達の知ってる気の良い仲間ばかりだったし、うまい酒も飲めた。打ち上げもなんかしらんけど50人くらいになって大騒ぎになった。
でも俺は本当はライブ前ちょっと心配になっていた。リハが終わって正宗屋で井上徹やミナミ、吉田アキラと飲んでたんだけど、遅れてきたとよだか居座ってなかなか立とうとしない。俺達はとよだを置いてアナザーに戻った。もうライブは始まっている。
とよだは正宗屋でも相当飲んでたらしい。店に帰ってからも調子に乗って、オーナーにがんがんバーボンをおごってもらって飲んでいる。やばいな〜変やぞ。目が妙にエロっぽくなっている。 そして、人のライブ中にだんだんとよだの話し声がでかくなっている。
「ありゃりゃ、あいつでっかい声で話してからに」 「ほんまや、あいつ絶対酔っ払ってるで」 「まったくあのアホ、なに考えとんのやろ?」 「ほんまにしゃあないやっちゃな」
後ろでライブを見ていた俺と井上徹は顔を見合わせてハラハラしている。お客さんの迷惑にならんとええけどな。まるで映画の上映中に騒ぐ子どもを何とか静かにさせたいのだけど、どうしようもできない親の心境だ。だめだ、楽屋に拉致するしかない。
「淳ちゃん、ちょっと声がでかいで」 「ライブハウスはこういうもんや」 「わかったから楽屋で本番前の打ち合わせや」 「これ一杯飲んでいく」
もう何杯目だ?だめだ、こいつ酔っ払ってる。どうしましょ、徹ちゃん。
本番前に楽屋であわてて曲順を写すとよだ。いつもうまくない字だが今日は特別に全然読めない。
「何じゃこれは?アラビア語か?ちゃんと書けよ」 「ちゃんと書いとるがな、読めんか?」 「読めるわけないやろ、やっぱり酔ってるやろ?」 「酔うてないって、大丈夫やって」 「見てみ、この字、何書いてるかさっぱりわからんがな?」 「目が悪いんちゃうか、老眼か?」 「うるさいわい!老眼は井上さんやろが?」
井上徹、登場。
「なにが老眼じゃ!老眼は淳ちゃんやろが」 「歌詞のカンペ、でかい字で紙に3枚に分けて書いとったやないか!」 「うるさいわい!お前のはひらがなばっかりやないか」 「ここに番号書いとるやないか」 「それは数字や!」
子供か、わしらは?もうおっさんはこれやからな。ほんまに熱くて面白いおっさんたちや。
「どうでもええけどほんまに大丈夫なんか?」 「わしに任せときなさい!燃えてきた〜」 「は〜ぁ、それが一番危険なんやないか」
いつも本番前に酔っ払ってメチャメチャなステージをしてた俺が、人の心配するなんて俺も成長したよな。
ところがどっこい、ステージ上では弾けまくりの切れまくり。ほんまに馬鹿が馬鹿受けとはこの事やな。客席もノリノリだ。会場はすごい盛りあがっている。どうなってんのや? しかしやっぱり飲みすぎの演奏はあかんやないか。だけどそれをも突き抜けてしまった。俺たち一体なにもんや?
そして打ち上げも大騒ぎ。実は俺たちはへとへとだった。けど絶対に打ち上げでも若者には負けません。朝方まで騒ぎ通したおっさんはやっぱり凄いのだ。 そしてとよだはいつものように1時間かけて自転車で自宅へ帰っていった。俺はネットカフェの小さな箱の中で感慨にふけっていた。
やっぱり井上徹もとよだも俺たちおっさん、みんな凄いよな〜。
・・・っていうよりかやっぱしアホやな。なにが悲しゅうてネットカフェでおっさん一人で始発を待たんとあかんのや? 俺、歳いくつやねんな?
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