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2005/11/20(日)
ダンシングチームたがみ☆とよだ
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東京へ向かう車中で、井上君から送られてきたMDを早朝から何回も聞いていた。ヤモリがキュッと豊年音頭だ。井上君のばんど「わらぶー」が歌うとき、最後にその2曲を一緒にやることになっている。実はその曲で俺たちだいぶ苦しんでいた。
何度歌ってみても沖縄音階は俺にはとれない。たった1コーラスなのに歌う度に違ってしまう。そして結局どの音が合っているのか分からなくなってしまい迷路にはまってしまう。さすがの俺様も今回は参ってしまった。おまけに沖縄の言葉の意味が分からない。ついに車を止めて練習することになった。
「なんや?この豊年で〜びるって?でびるって。ようわからん」 「豊年デビルマンか?豊年サラダ油なら知ってるで」 「しりとりてんって?これも分からん??」 「しとりとてん、しとりとてんや!」 「え〜と、♪しりとりと?あれ?してりと?あれ?」
何べん歌ってもしりとりになってしまう。
「だいたいやな、長い事俺も生きてきたけど、こんな言葉使ったことがないで。この音階も。これは外国の歌や」 「ほんまやな。でもそれを何とかするのがたがみとよだやからな、わしらの凄さを見せたらんとな」
とか言いながら、とよだもヤモリの歌のサンバに苦労していた。
「サンバのギターなんて弾いたことがないで」 「これもたがとよ未体験ゾーンやな」 「こりゃもうだめだ、練習休憩」 「ほんなら、振り付けの練習をしようで」 「おう、俺らが一番目立たんとあかんからな」 「リハでは隠して本番でびっくりさせたろうで」 「ほんならいくで、ミュージックスタート!」
ギターをほっぽらかして踊りの練習に入った。トイレ休憩にとまった大型バスからおばはんたちがぞろぞろと降りてくる。そして俺たちのほうを見て立ち止まりなにやら話している。うるせえ!こっちはそれどころじゃないんや。時間もないし、いっぱいいっぱいなんや。
曼荼羅では俺と同じ顔をした井上氏が待っていた。まるで鏡を見ているようだった。
「いや〜お久しぶり、元気?」 「今日はよろしく」・・・ステレオか?
早速わらぶーのリハが始まった。わらぶーは三線のいとチンとギターの井上君の男女のユニットだ。なかなか濃い。独特な世界をかもし出している。まあヤモリがキュッっていう歌からも想像はつくだろう。俺たちもリハに参加した。
「全員参加するのは最後の豊年音頭だけか。これは皆で踊るから適当にいけるな」 「ヤモリや。わらぶーと俺らだけかいな。きびしいのう」 「わらぶーも濃いからな。俺たちがかすむな〜」
「作戦変更。踊りも変えんなあかん」 「よし早めにリハを終わらせて踊りの練習や」 「そういえば、最近俺らの歌全然練習してないよな。もうすぐ本番やけど。ま、ええか」
・・・人の歌ばっかりやらんとちゃんと自分達の歌を練習しろよな!!
吉祥寺駅前の立ち飲み屋。前に来たときはなかったのに立ち飲み屋ができている。スタッフの若いお姉ちゃん達が出迎えてくれる。とりあえずビールや。
周りで飲んでるサラリーマンや、くすくす笑っている店のお姉ちゃん達も気にせず、とよだと振り付けの練習が始まった。
「ここはこうしようで、このとき前に飛び出て笑顔でば〜や」 「もっとオーバーアクションでステージ全体を使うつもりで」 「顔は真剣やど、絶対笑うなよ」 「あたりまえやんか、やるときはやるんや」 「俺たち今日はダンシングチームたがとよやからな」 「俺はマイケルたがみじゃ?」 「俺はテキーラとよだじゃ??」
店のあちこちで失笑が漏れている。関係あるか!こっちは真剣なんやからな!
「もしこれで受けんかったら最後の手段や」 「おう!あれやろ、あれ」 「そうや、ステージで二人並んでケツ出したろうで」 「おう!まかせとけ、わしらをなめとったらあかんで〜!」
その夜、吉祥寺曼荼羅では楽しいショーが繰り広げられた。 俺たち二人は、ざまあみろ!関西人の株をあげてやったと大きな勘違いをしていた。これは世間で言う恥をかいたって事なのかな?ええねん、ライブは楽しかったらええねん。どうだ!
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