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2004/01/30(金)
千日前アナザードリーム
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2004年初ライブはここ、千日前アナザードリームだ。対バンは大阪の二―ルヤングこと、レジーホースのガルー&ウルルとこれまた熱いバンド、サザンウインド。実はみんな知り合いで、しかもガルーさんと井上徹と俺は同い年だ。だけどこのブッキング、やっぱり濃いすぎるよな。オールマンとニールヤングやで、どうするよ、とよだくん?
「おう!調子はどうだ?」少し遅れてとよだがやって来た。新品のスカジャンを着ている。 「どうしたんやそのスカジャン?かっこええやんか」 「どうだ、まるで渋谷のチイママみたいやろ」チイママ・・・チイママ? 「それチーマーやろ、チイママいうたらスナックかなんかのママのことやろが」 「それや、それ。似とるからどっちでもええやろ、でチーマーってなんや?」知らんと言うてんのかいな。だいたいチーマーとチイママとは大違いや。 「ええやろこのスカジャン、高かったんや、男は決めるときはバチッと決めんとな」 「決めてるわりには下がジャージやないか?」 「自転車できたからな、寒かったんや。実はこの下にパッチもはいとんのや。グンゼのパッチやで、見せたろか?」おもむろにジャージを脱いでパッチを見せた。 「しかもその下はノ、ノーパンや!!」パッチを下げてケツを出した。 「あほう、もうええ!そんなもん見とうないわ!」もうすぐライブやど、いったい何を考えとんのや?ステージではサザンウインドの井上徹がまだリハ前なのに、自慢のレスポールでガンガン爆音を鳴らして自分に酔っている。なあ、ええ子やからみんなちゃんとしようや。
「おいっす!ひさしぶり」ガルーさんとウルルがやって来た。 「ええもん見せたろか?」いきなりなんやろ? 「買うたで、D45、どうじゃ!」 「おまけに、J200も持ってきたで、12弦もな、マンドリンもや」おいおい何本ギター持ってくるんや、店でもはじめんのか? 「わしらは歌よりギターの数で勝負や!」なんのこっちゃ?? そしてD45のブルーケースを開けた。全員注目、すぐに品評会が始まった。 「うわーすげえ!」「ちょっと触らせてーな」「な、なんぼしたんや?」「マイクつけるのに穴開けたんか」「交換せえへんか」「わしにくれ!もって逃げるど」わいわいがやがや。 おいおい、みんな今日はライブ、ライブです。お願いやから、ちゃんとしましょう。ほんま困ったオヤジ達や、先が思いやられるわ。
リハが終って居酒屋政宗屋に。時間がたつにつれなぜか人数が増えている。みんながんがん飲んでいる。あ〜あ、ウルルちゃん、それ、コップ酒4杯目やで。井上君、またお湯割りのお代わりしとるし。とよだは?あいつまた若い女の子のところで喋ってるし。しかもそいつらアベックやんか、じゃまをしたるなよ。もうええ、俺も飲んじゃおっと。お湯割りお代わり頂戴!だからこのメンバーでやると本番前に打ちあげ状態になるって言ったでしょ。もう俺も知らねえよ。
「あら、もう本番5分前やで、ガルーさんとこからやろ」 「ええねん、どうせ押すんやから」 「でもお客さんが待ってるで」 「お客をここに連れてきたらええがな」な、なんちゅうオッサンや。 「そやそや、ガルー、ここでやれここで」井上君も無茶言うたらあかん。 「心配せんでもお客さんもここでのんどるがな」酔っ払いの理論?なぜか納得。 「まあええやんか、今日は楽しゅうやろうで」もう十分楽しんでると思いますけど? 「ほんなら一丁やってくるか、さあみんな行こか」なんなんや、この素敵な酔っ払い連中。 「今日は朝までや、朝まで」あ、朝までって?宴会やないんやから。 「ロックはロールしとかんなあかんのんや〜!」なんだ〜?誰か酔っ払って叫んでいる。 「よっしゃ、今日は演歌をうたったら〜!」だから〜、今日はライブです。ライブ!
そして熱いライブは始まった。みんな濃すぎるわ。ほんまいくつになっても懲りん男たちや、俺もとよだも含めてやけど。ライブは盛り上がり、その後の打ち上げはご想像どおり。俺も朝方まで飲んでいた。なんて熱くて馬鹿なオッサンたちなんだろう。そんな馬鹿なオッサンたちが俺は大好きだ。夜中にとよだがフラフラしながら自転車で帰っていった。今日はなぜか、あいつがさわやかに見えたな。だけどグンゼのパッチはいてるようじゃ、やっぱり熱くて馬鹿なオッサンよな。
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