ツアー日記 tour report
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2003/02/22(土) もう寝ちまったのかい?
とよだとドサ回りツアーを始めて何年になるだろう。たった二人で車にギターを積み込んで、いろんな所歩いてきた。その度にいろんな人と出会い、いろんなドラマがあり、そして歌が生まれた。この歌もそのひとつや。

あれはめずらしく大阪に大雪が降り、凍えるような2月の夜だった。俺たちは次の日東京でライブが入ってた。俺はてっきり電車で行くと思ってたのに、その夜もとよだは遠足気分で車でやってきた。もちろん、おにぎりとバナナをたずさえて。
「こんなん車で行けるわけないやろ?もう凍結しはじめてるで」
「だいじょうぶや!俺を信じろ。雪道は慣れとんのや!俺にまかせとけ!チェーンもばっちり積んどるし。いくぞ!」
こうなると歯止めがきかない。握ったハンドルで踊りだす始末。まあ行けるとこまでいってみるか。機材を積んでCDをがんがんにかける。当然『風に向かって走れ』
「よっしゃあ、いくど〜!」車は東に向かって走り出した。

・・・10分後、清滝峠で止まってしまった。案の定、凍結で前の車が進まない。どうすんねん!だから言うたやろ。ほんまに人の話を聞け!
「よっしゃ、チェーン巻いて163の下道通って行こ」
まだ行く気やで、こいつ・・・チェーンを巻いた車は凍った道路をトロトロと走り出す。163もえらい渋滞。明日までにほんまに東京に着くんやろか?なるようにしかならんか。

・・・30分後車は完全に止まった。大型トラックが坂を登れず立ち往生。延々と連なるテールランプ。それから1時間半もそこで止まったまま。当然二人とも無口。容赦なくどんどん雪は降り積もってくる。
「ここにこうしててもしょうがない、とにかくなんとかしようや」と俺。
やつもやっと事の重大さに気がついたらしい。ほんま気がつくのが遅すぎる。なんとかUターンして脇道へ、でも、どこかぜんぜん分からんし、もう0時をとっくにまわっとる。わからんまま方々走っているうち、
「あら?駅らしいのがあるで、なんや月ヶ瀬口って書いてあるわ、」
おいおい、あんだけ時間使ってまだ月ヶ瀬かよ。とりあえず車を止めて作戦会議。あたりは雪、雪、しんしんしん。そして午前2時。
「バナナでも食うか!」
ええかげんにせえよ!寒すぎてヒーターも利かんし酒もない、凍死するど。何でここでとよだと心中せなあかんのや。いつのまにか雪はやんでいた。やけに星がきれいな真冬の夜。俺は車を降りて熱い缶コーヒーを買いに行った。

「くうーっ、熱燗のかわりに熱缶かよ?」
車内には二人が缶コーヒーをすする音だけが聞こえてる。滅多に缶コーヒーなんか飲まんのに、なんかすごく美味かったよ。そして長い長い夜がやっと明け、車で朝を迎えた雪中の遭難者二人。

へこんでるかと思いきや、一面の銀世界に朝から大はしゃぎ。朝日の昇る中、自然の美しさに感動を噛みしめながら一人たたずむ俺、ふとふりかえると「うおぉぉぉ!」奇声をあげながら雪の中にダイブしているとよだ、まるで犬が喜び庭かけまわる、まったくそのまんまや。とよだ君ほんと楽しい一日をありがとう!それから車をおいて両手にギターと荷物を抱え、朝イチの四両編成の電車でトコトコと東京に向かった。通学途中の女子高生に変な目でじろじろ見られながら。旅はまだまだ続く。


もうねちまったのかい      夜が明けるにはまだはやいぜ
今夜はこんなにいいお天気さ   星が降るのでも眺めていようじゃねえか

小雪が舞い散る2月の夜     俺たちは二人きりで旅に出た
古いギターとちっぽけな夢 カバンに詰め込んで東へ向かうトラックを追いかけた
  
ポケットを探って小銭を取り出した 熱い缶コーヒー二人で分け合って飲んだぜ
失くすものさえ失くしちまった二人だけど 心も懐も暖かくなったような気がしたぜ

今日は東へ明日は西へ       あてのない旅はまだまだ続くぜ
いつかあの星を両手一杯つかんだら 俺達の街に戻ろうじゃねえか

そして美味いビールを一杯やるんだ   きっとその夜もいいお天気さ
もってかえった星を床にばら撒いて   街のみんなに分けてやるのさ

もうねちまったのかい      夜が明けるにはまだ早いぜ
さあ車のエンジン火をつけて   夢の続きを探しに行こうじゃねえか

おおきなうねりをいくつも越えて  船は果てしない海を横切っていく
何にも答えなんかなくてもいいのさ きっとそこにはあの風がふいてるだけさ
  
大きなうねりをいくつも越えて   俺達の船はまっすぐ進む
何にも答えなんかなくてもいいのさ きっとそこにはあの風がふいてるだけさ


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