ツアー日記 tour report
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2003/02/27(木) 吉祥寺曼荼羅
曼荼羅でライブやる時、リハが終わると必ず行く場所がある。井の頭公園入り口にある、餃子とシュウマイのうまい店、いせや。大阪でいうと、じゃんじゃん横丁の居酒屋をこぎれいにした感じのええ店。

とよだと肉汁のしたたる餃子をほおばりながらまずは乾杯。店内はそこに似合わない若いカップルや、まあぴったりとはまってる怪しげな輩(俺たちもやけど)でいっぱい。冷えたビールをぐいと飲み干し店内を見まわす。

「やっぱり東京の女はちがうのう〜(どうちがうんや?)みんな関東言葉しゃべっとるし(それ標準語や!)なんかおしゃれやし(ようわからん?)」
「そりゃここは吉祥寺やし、なんやいうても若者の町やで、ここにくる通りも若者ばっかりで俺ら二人だけ浮いとったやろ」
「うーん、わしにぴったりの町や」(はあ?まあいろんな人種の集まりという点ではぴったりやろ)
「おいおいあっち見てみ、へんなおっさんおるで、あのお湯割りのんどる奴。怪しいで」振り返って見てみると
「あっ、あれ高田渡やど、絶対間違いない、でもほんま見るからに怪しいな」
「よれよれのシャツ着て雪駄はいてお湯割りあおって、なんかかっこええなあ」(それは高田渡やからかっこええんや、高田渡じゃないと大阪城公園におる変なおっさんと変われへんど)
「人のこと言われへん、きっとまわりの若い子らも俺ら見て怪しい二人がおる思うてんで」
「そうやろか?今日俺若者ファッションしてきたつもりなんやけどな」(若者ファション?)
「それが一番怪しいっちゅうねん」

ええ気分になった二人はいざ戦いの場へ。いつも思うけど曼荼羅はスタッフはしっかりしとるし音もええし、やりやすい。曼荼羅焼酎もうまいし、ほんと雰囲気のええ店。ただ楽屋が狭い。というより無い。出番までステージ横の階段で待機しとかなあかん。着替えもそこでする。そしていつものとよだのファションショーが始まる。

「どうだ!今日は赤の龍のアロハだ!かっこいい〜。う〜ん、やっぱりインディアンズのTシャツでいくか!いやこっちのシャツもかっこええしな〜、ど・れ・に・しようかな?」本番ぎりぎりまで悩んでる。本番前にもっと考えること他にあるやろ、まったく。そして出番。

「イェ〜イ!みなさん今日もノッてますか〜!大阪からやってきたたがみ★とよだだ〜!俺たち今日も絶・好・調だ〜!」一番ノッてるのは君です!

2003/02/24(月) スナック妙子は何処に
これもツアーに向かう途中の話。いつものように車に機材を積み込み、夜9時に大阪を出発した。
とよだは今夜もハイテンション、るんるん気分で車は西名阪を東に向かう。
ひとしきりバカ話で盛り上がり、亀山に近づいた頃
「今日は東名阪乗らずに下道通って行かんか?」・・・悪い予感。
「どうせ時間あるし、今日は名古屋で呑まんとまっすぐ東京やし」・・・さらに悪い予感うむも言わさず、とよだは下道に。
「これ、四日市ぬけて桑名ぬけて行く道やろ、トラック多いんちゃうのん?」
「大丈夫や、俺にまかしとけ!」・・・やばい、いつものパターン、悪夢の展開。

しばらく走ると夜の工場地帯、まんざらでもない。鉄の塊ともうもうと煙を吐く何本もの煙突。黒の夜にオレンジ色に染まる無数の柱、まるでSF都市みたい。ぽーっとみとれていたら、いきなり渋滞。またこれだよ。すんなりいけばええのに。また車の中で二人きりの世界。もう話すネタもなく無言。こんなときは二人で空想の話でもして盛り上がるしかない。

「いつまでこんな事つづけるんやろ、俺たち」
「死ぬまでや」
「こうやってずっと歌、歌いながら、全国を旅出来たらええな」
「おう、ときにはひなびた漁師町、あるときにはひなびた山村、」ひなびたばっかりやんか。
「その漁師町では漁師小屋みたいなとこでライブやってよ、ギャラは採れたての魚や、ストーブで温まったワンカップを、おう、にいちゃんまあ一杯呑め、なんて言われてよ。今度は兄弟舟を歌え!なんてな」空想はどんどん広がる。

「ほんでひなびた山村では一軒だけスナックがあってな、妙子ちゅうスナックや。そこには風吹じゅんみたいな女将さんがおってな。(ぜったい風吹じゅんじゃないとだめらしい)今夜はしばれるねー、どっから来なさったん、」ますますエスカレート。
「今夜はもう遅いから泊まってっていいよ、くう〜。ほんで朝出発するとき、今度来るときには黄色いハンカチをのれんに下げとくからね。いやっほぅい」(おまえは高倉健か)

「よっしゃ、いまからスナック妙子さがしにいくど!」
「おう!見つかるまで片っ端からさがそうで」
バカな二人はライブのことなんかすっかり忘れて、夜どうし車で走り回ったのであった。そして午前4時疲れ果てた二人は恵那峡のSAでがあがあと爆睡していた。それから俺達のスナック妙子探しはいまだ続いている。スナック妙子は何処へ。女将さ〜ん!

2003/02/22(土) もう寝ちまったのかい?
とよだとドサ回りツアーを始めて何年になるだろう。たった二人で車にギターを積み込んで、いろんな所歩いてきた。その度にいろんな人と出会い、いろんなドラマがあり、そして歌が生まれた。この歌もそのひとつや。

あれはめずらしく大阪に大雪が降り、凍えるような2月の夜だった。俺たちは次の日東京でライブが入ってた。俺はてっきり電車で行くと思ってたのに、その夜もとよだは遠足気分で車でやってきた。もちろん、おにぎりとバナナをたずさえて。
「こんなん車で行けるわけないやろ?もう凍結しはじめてるで」
「だいじょうぶや!俺を信じろ。雪道は慣れとんのや!俺にまかせとけ!チェーンもばっちり積んどるし。いくぞ!」
こうなると歯止めがきかない。握ったハンドルで踊りだす始末。まあ行けるとこまでいってみるか。機材を積んでCDをがんがんにかける。当然『風に向かって走れ』
「よっしゃあ、いくど〜!」車は東に向かって走り出した。

・・・10分後、清滝峠で止まってしまった。案の定、凍結で前の車が進まない。どうすんねん!だから言うたやろ。ほんまに人の話を聞け!
「よっしゃ、チェーン巻いて163の下道通って行こ」
まだ行く気やで、こいつ・・・チェーンを巻いた車は凍った道路をトロトロと走り出す。163もえらい渋滞。明日までにほんまに東京に着くんやろか?なるようにしかならんか。

・・・30分後車は完全に止まった。大型トラックが坂を登れず立ち往生。延々と連なるテールランプ。それから1時間半もそこで止まったまま。当然二人とも無口。容赦なくどんどん雪は降り積もってくる。
「ここにこうしててもしょうがない、とにかくなんとかしようや」と俺。
やつもやっと事の重大さに気がついたらしい。ほんま気がつくのが遅すぎる。なんとかUターンして脇道へ、でも、どこかぜんぜん分からんし、もう0時をとっくにまわっとる。わからんまま方々走っているうち、
「あら?駅らしいのがあるで、なんや月ヶ瀬口って書いてあるわ、」
おいおい、あんだけ時間使ってまだ月ヶ瀬かよ。とりあえず車を止めて作戦会議。あたりは雪、雪、しんしんしん。そして午前2時。
「バナナでも食うか!」
ええかげんにせえよ!寒すぎてヒーターも利かんし酒もない、凍死するど。何でここでとよだと心中せなあかんのや。いつのまにか雪はやんでいた。やけに星がきれいな真冬の夜。俺は車を降りて熱い缶コーヒーを買いに行った。

「くうーっ、熱燗のかわりに熱缶かよ?」
車内には二人が缶コーヒーをすする音だけが聞こえてる。滅多に缶コーヒーなんか飲まんのに、なんかすごく美味かったよ。そして長い長い夜がやっと明け、車で朝を迎えた雪中の遭難者二人。

へこんでるかと思いきや、一面の銀世界に朝から大はしゃぎ。朝日の昇る中、自然の美しさに感動を噛みしめながら一人たたずむ俺、ふとふりかえると「うおぉぉぉ!」奇声をあげながら雪の中にダイブしているとよだ、まるで犬が喜び庭かけまわる、まったくそのまんまや。とよだ君ほんと楽しい一日をありがとう!それから車をおいて両手にギターと荷物を抱え、朝イチの四両編成の電車でトコトコと東京に向かった。通学途中の女子高生に変な目でじろじろ見られながら。旅はまだまだ続く。


もうねちまったのかい      夜が明けるにはまだはやいぜ
今夜はこんなにいいお天気さ   星が降るのでも眺めていようじゃねえか

小雪が舞い散る2月の夜     俺たちは二人きりで旅に出た
古いギターとちっぽけな夢 カバンに詰め込んで東へ向かうトラックを追いかけた
  
ポケットを探って小銭を取り出した 熱い缶コーヒー二人で分け合って飲んだぜ
失くすものさえ失くしちまった二人だけど 心も懐も暖かくなったような気がしたぜ

今日は東へ明日は西へ       あてのない旅はまだまだ続くぜ
いつかあの星を両手一杯つかんだら 俺達の街に戻ろうじゃねえか

そして美味いビールを一杯やるんだ   きっとその夜もいいお天気さ
もってかえった星を床にばら撒いて   街のみんなに分けてやるのさ

もうねちまったのかい      夜が明けるにはまだ早いぜ
さあ車のエンジン火をつけて   夢の続きを探しに行こうじゃねえか

おおきなうねりをいくつも越えて  船は果てしない海を横切っていく
何にも答えなんかなくてもいいのさ きっとそこにはあの風がふいてるだけさ
  
大きなうねりをいくつも越えて   俺達の船はまっすぐ進む
何にも答えなんかなくてもいいのさ きっとそこにはあの風がふいてるだけさ

2003/02/17(月) ライブ戦記(アナザードリーム)
いつもリハぎりぎりに来るとよだが、珍しく30分前にやってきた。
アナザーのPCでファンサイトを見るためや。
店長の河西メタル君に頼んで一緒に見せてもらった。
「うおぉぉぉ!テレビにわしの姿がうつっとる!」
(淳ちゃん、それテレビじゃなくパソコンやで)
「プッ、プロフィール見せてくれ、」
「うおぉぉぉ!かっちょいい!」
(かっちょええけど資格の玉カケってなんや?喝采って「ちあきなおみ」か?嫌いな教科、漢字ってそれ教科ちゃうやろ)
「わしゃスターになった気分や、ジャンプ!」
(はいはい、おまえはいつも脳天気でええのう)
そんなこんなでライブ前から盛り上がってた。

今日の対バンのトリはすごい奴ら。
腹立つから名前は言わんけど、正直言うてまあびっくりぶったまげた。
リハからマーチンD45とD41を並べて,繊細な生ピアノとこれがアコギの弾き方やと言わんばかりのテク、そのリハで2時間近く聞かされてもうハラホレヒレハレや。さすが『甲斐よしひろ』や『佐野元春』のつれやね!まいったまいった。

本番いつもの勢いの出ない俺たち。
だって場内はリサイタルの前座の雰囲気。
んの野郎!って気合ばかりが先走っていつものペースに持ち込めない。
とよだの喋りもいつの間にか敬語になっとるし、俺も気持ちが、かかってこんかい!が、かかってきませんか?になっとるし、何やようわけわからんようになっとった。
後半は開き直っていつものノリが取り戻せたけど本人達は不完全燃焼。
昔から見に来てくれてるせいちゃんに一言「あほう!反省会せえ」と言われました。すみません。反省します。
この借りはバナナで100倍にして返したらー!まっとれよ!がぁぁぁあ!

「淳ちゃん、あそこ座っとんの、甲斐バンドのタイコの人ちゃうか?昔買った甲斐バンドのレコードジャケットにのっとった人やで、」
「うおぉぉぉほんまや!あっあっ握手してもらいにいこ!」
「すんません、昔から大ファンでした、握手、握手」(言葉になってない)
ええおっさん二人が女子高生になった瞬間でした。

いつもの打ち上げはもうひとつの対バン、不良の目をしたイクオ君、絶対とよだよりギターのうまいふるちゃん。
このファンサイトを立ち上げてくれたHIROこと山ちゃん(名前が同じなのであえて俺はこう呼ばしてもらう)
歌を歌いたいがために近大法学部4年目にして中退した大馬鹿野郎のケン坊。
男前のアナザードリーム店長メタル君。
そしてわけのわからん偽高校教師ドンガバチョ。

野郎ばっかりでめちゃめちゃ盛り上がった。
アフターライブで盛り上がってどうすんだ!でもみんな熱い奴らで根性入っとんで。
ふるちゃんなんか途中でトイレに破動砲を発射してまた帰ってきてのんどったもんな。
若い奴らも熱いやつおんねんな。やっぱ熱い奴はええで。俺は好きやな。そんな奴ら。
さんざん飲み食いした後みんな個々に夜の町に消えていった。
とよだもまじめに帰ったらしい。
俺は一人まだ眠らないミナミの街をふらつきながら考え事してた。
(あぁ、PCへの書き込み教えてもらったんやけど、どうすんやったっけ?まあええか)


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