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2005/05/03(火)
野生の目覚め
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朝4時、目覚まし時計がなる前に目が覚めた。 5時12分の始発に乗った。
途中の駅で小林隊長と合流。 鶴橋駅で金田隊員もホームで俺様達を待っていた。 無事、ふぉるむ登山隊O型トリオで出発である。
今回の山行は宮の谷から入山し、台高山脈の池木屋山(いけごややま)〜千石山〜明神岳にいたるコースである。
このコースはまず、池木屋山の北面に源を持つX字渓谷で 両岸に急崖が迫り、滝、深淵、急流が次々と展開する。 また、その豊かな水と雨の多い山域でもあるので 岩や木が苔むしていて神秘的な景観をしている。
今日は、天気は最高である。 このコースがはじめての小林隊長は感動の声をあげることしきりである。計画を立てた俺様としては嬉しい限りだ。 しかし、このコース最大の滝の高滝までは、それこそハイキング気分でスニーカーなんかでくるカップルもいるぐらいで(かなり無謀だけど・・・)よく整備されていてそれほど危険は無い。
しかし、そこから先はかなり危険で毎年死者がでているぐらいである。特に高滝を巻くところでは滑り落ちたら、50メートル下の 滝つぼに岩にバウンドしながら落ちること確実で生存の見込みはないところだ。そんなところに三人とも20キロ前後の重荷を 担いでいるのだから急斜面でバランスをくずしたら・・・ 俺様はとりあえずザイルをいつでも使えるように準備して ここから先行することした。なにしろ、計画を立てたのだから パーティの安全には特に責任があるのだ。
しかし、いざ登りだしてみるといたるところにフィックスロープがある。3年前に来た時は2箇所ほどに、それも頼りないのが あっただけだったのだが・・・たぶん、去年何人ものひとが この場で亡くなったからフィックスロープを沢山つけたのだろう。高滝の巻き道の危険箇所に地蔵さんがあるのだが、そこには 真新しい花束が2束そなえてあった・・・
そんな、フィックスロープのおかげでザイルも使うことなく 通過でき、苔むした渓谷を順調に登りつめ、今日の幕営地 奥の出合に到着した。 俺様はヒルよけのタープ設置、小林隊長は宴会準備、金田隊員は テント設営と息のあった働きで作業を終え宴会突入である。
まずは、ビールで乾杯!そして、今日の重荷の招待が解き明かされた・・・小林隊長が用意した食材を広げると出るわ出るわ 生めん、液体だし、つまみ多種、節約すれば10日は山の中で 食っていけそうなぐらいである。(笑) そんなおかげで、宴会は大いに盛り上がり、俺様は持ってきた 酒があっというまになくなってしまった。そうなれば、次は 2人の持ってきた焼酎をおよばれすることにした。 ついに、金田隊員の酒もつきたところで宴会終了とした。 小林隊長の持ってきた焼酎は明日の晩に取っておこうという ことで3人の意見は一致したのである。
そうそう、この幕営地は以前にも利用したのだが、 ここには俺様お気に入りの滝があったり、ブナに囲まれて 景色も最高なのである。・・・ただ、この季節は山ヒルが いるので気をつけなくてはいけないが・・・
金田隊員がテントのすぐ近くで鹿の白骨を見つけた。 俺様も見に言ってみるとどうやら小鹿の骨のようだ。 自然の厳しさを見たような気分であった。
宴会を終えるとあたりはすっかり闇に包まれ 空を見上げればブナの木々のあいだから星が瞬いている おっさん三人で星空を見上げ感動するなんて 登山ならではの現象である。(笑)
さて、明日のためにそんなおっさんトリオは ブナと星に抱かれてシェラフにもぐりこんだのであった。
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