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2005/07/25(月)
風の歌を聴け 感想
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村上春樹の処女作である『風の歌を聴け』を読み終えました。『羊をめぐる物語』と『ダンス・ダンス・ダンス』を持っていたのですが、これらは、どうやら、この作品の続編らしく、後の二つの作品を読みあぐねていたと言ったところでした。 昨日、ふと思い立って、古本屋を巡って、この作品と『1973年のピンボール 』と共に手に入れてきました。まあ、他にも山ほど買ってきたりしたのですが。
この作品は、何であったのだろうか? そう、読み終わったときに感じました。内容があるようで、何もないようにも感じる不思議な感覚。指の欠けた女の子の詳細も、主人公に貸したビーチボーイズのレコードを返してと言った女の子のその後も、なにもないんです。そして、寝たきりの17歳の女の子は誰なんだ? これらは、私に読解力が欠けているから、読み取れないものなのかもしれませんが。
基本的な進行は、主人公の僕と鼠(人間です)のそれぞれの物語を見えるように、ときに、見えないように交差させています。
まあ、深く考えずに読める作品かと。人物を表す名前が出てこない(鼠とかもあだ名であって、本名はわかりません)と言う、非現実的で、時間の進行があるのかないのかはっきりとしない不思議な物語だったかな。話自体も短いですし、『スプートニクの恋人』のような村上春樹流比喩も少ない(それを苦手とする人にとっても)読み易いものだと思います。
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