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2005/07/19(火)
「アッシュベイビー」感想
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金原ひとみの『アッシュベイビー』を読み終わりました。この作家の文章力の高さに詠嘆するしかない、と言うのが素直な感想です。 ストーリーは、ないに等しいもので、主人公が、ただ狂気に向かって滑り落ちていくだけなんですが、作家の技量が、読み手をぐいぐい引っ張っていきます。現実から狂気の非現実世界へ、その過程の主人公の心理描写は、言葉も出ないほど飲み込まれました。 なんと言うか、放送禁止用語(?)が酷使されていますが、それらは現実世界の象徴なのかな? と読みながら思いました。そう言ったものに拒否反応を示す方もいるかと思いますが、そんなものを打ち崩すほどの言葉の力を、感じてほしい作品です。
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