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2004/03/11(木)
おじいちゃん
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母方の祖父がなくなった。 10年ぐらい前から夏の暑い時期、冬の寒い時期になると、具合が悪い、もう長くない。 そう入退院を繰り返していた。 おととしの暮れも危篤と連絡があったが持ち直して元気でいたようだった。 それなのに急な訃報。 祖父の家に行き白い布をかけられた祖父と対面した。 白い布を持ち上げながら母は、 「きれいな顔だら。眠ったかと思ったら息してなかったんだって。」 母は祖父の頭やおでこの手をやり、 「ドライアイスが効いてるね。眠ってるみたいにいい顔だら。」 15年前、父方の祖母がなくなったときの顔を思い出した。 苦しんで亡くなった祖母の顔は苦痛で引きつっていた。 唇の端はない出血で赤く染まっていた。 人の死を初めて見た私は膝ががくがくして、すぐその場で泣き出したかったのを覚えている。 「おばあちゃんの顔は辛かったけど、起きなよって言ったら目を覚ましそうなくらいいい顔だら。」 母はずいぶん前から覚悟をしていたのだろう。 大往生のお祝いをするのだと忙しく動く母。 92歳。長生きしたね、おじいちゃん。 私の唯一のおじいちゃん孝行は、ひ孫である娘や息子を抱かせてあげられた事ぐらい。
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