がてんこ、Dig Your Own Hole
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2004/02/18(水) 匂いの帝王。
 「光速より速い光」と、新しい理論で学会に切り込むことの困難さを描いているという点でかぶっているので、「匂いの帝王」を買うのはやめようと思っていた。「光速より速い光」はすごくしっくりきて面白くて、かなり満足していたから。

 でも、数章読んで、買わざるをえなくなった。この本には、「分からない意味」を言葉にする運動が含まれている。主人公の香水大好き生物物理学者、ルカ・トゥリンはそれを自覚して「比喩は知識の通貨だ」とも言っている。「光速より速い光」はしっくりきていたが、「匂いの帝王」は大きくはみ出している。かなりエキサイティングだ。

 
 化学は嫌いだった。面白くないから。いろんな物質の組成や反応を記号で表す。でも、それだけだ。記号化したからって、関係性が見えてくるわけではない。現実の物質も見えてこない。覚えることだけいっぱいある。わけがわからない。わかりたくもなかった。

 あるときブルーバックスを物色していて「実践量子化学入門」を見つけた。サブタイトルが「分子軌道法で化学反応が見える」、しかも、PCで分子軌道を計算できるソフト付きだ。PC使ってやりたいことが全然無いんだけれど、いくらなんでもちょっとはいじっておかないとやばくない?と思っていたところだったので、ちょうどよかった。
 
 高校の化学が量子化学だったら、化学嫌いにならなかったのにな。
今でこそ家庭用PCで専用ソフトを使って(複雑な計算部分は省いているけれど。付録はデモ版だけど。でも相当すごい。電子の取り得る軌道がイメージモデルで図示までされるのだ。)簡単に計算ができてしまうから簡単にそう思うけれど、当時高校で教えるのは不可能だったのだろうな。

 化学が面白いのは分かったけれど、とりあえず分子軌道を計算する必要にせまられている分子も無かったので、なんとなく手元に置いてあった。

 この量子化学が、「匂いの帝王」のルカ・トゥリンが提唱する匂いの受容体は振動を嗅いでいるとする振動説を理解するキモになっているのだ。もうひとつのキモ「香水」とは無縁だった(とはいえ、今はすごく関心が湧いてきて困っている。)ので、あら、こんなところに橋が!!って感じ。しかも、ルカが使っている計算ソフトのひとつが、付録のデモ版と同じMOPACなのだ。これはあるいは当然だけれど、楽しいな。


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