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2004/01/11(日)
「あなたの人生の物語」を読んだ。
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まず、「ゼロで割る」を読んだ。ゼロで割ることを思い浮かべるのが大好きなので。他の人が「ゼロで割ること」をどう感じているのか、すごく興味がある。 意外だな。私はゲーデルの証明を見たとき、がっかりした。 不完全性定理の導いた結論だけを先に初めて知ったとき、つまり、論理的な正しさと「本当の正しさ」とは論理的に繋がっていないと知ったとき、自分の直感が世界の姿にヒットした気がして、すごく大きな自由を手にした気がして、解放感が満ち溢れた。 でも、実際後で目にしたゲーデルが見つけ出した不完全性についての証明は、鮮やかではあるけれど、ひどくテクニカルに思えて、ひとつひとつ追っていけば確かにそうなのであるけれど、先に感じたあの解放感とは程遠いものに感じられ、途方にくれた。 その気持ちを何乗かしたものが、主人公達の気持ちかなあ。私とレネーとはまったく逆だけれど。
そして、理解→顔の美醜について→かもめちゃんの感想→あなたの人生の物語→バビロンの塔→七十二文字→人類科学の進化→地獄とは神の不在なり、の順で読み終えた。短編といえども1篇1篇が長いので、全部読むのはけっこう骨が折れた。間に他の事を挟みながら、3日かかった。 とりわけ面白かったのは「七十二文字」と「地獄とは神の不在なり」。もう一度じっくり読みたいのが「理解」。自己の同一性はどこにあるものとして描かれているのか。
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