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2004/01/27(火) 凍っていて
朝、数日ぶりに歩いた通勤路で、小さな猫の死骸を見た。
先週の雪が轍となって氷となった、朝でも日陰の暗い路上で、死骸は凍っていた。
一度は、誰かが役所に連絡をして、片付けてもらえるだろうと通り抜けたのだけれど。
丸い背の模様も、路面に延びた尾の模様も、数年前に死んでしまったわが家の猫と同じで、わたしがこの場を去ってから片付けられるまでの間に車に潰されてしまうのではないかと考えたら、踵を返して数メートルを戻っていた。バスの時間は切迫していたのに。
触った毛の柔らかさは生き物であったことの名残りで、氷点下に晒された冷たさは物体で。
昨日の昼間にはそこにあったらしく、下の氷に張り付いた死骸は容易には拾えなかった。
氷に取られた毛が、切なく。
道脇に除けた。

何故か、どこかに連絡することは思い浮かばず、帰りにそれを拾った。
家の前までは来たけれど、忌むモノを敷地内には入れられず。

凍った地面は掘り返すことはできなくて、冬場は渇水している近くの堀へと死骸を寝かせた。
いつか、朽ちて地と還ることを思いながら。


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