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2004/05/14(金)
『女徳』瀬戸内晴美
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京都は嵯峨野に祇王寺と言う小さな寺があるのをご存知でしょうか? 『平家物語』祇王ゆかりのお寺です。 その祇王寺の前庵主・智照尼をモデルにしたのがこの小説です。
13歳で花柳界に売られ、愛の証に小指を切ってみせる激しさを持つ主人公たみ。その美しさと自分との闘いから逃げてしまう弱さゆえに、その後も波乱万丈の人生を歩み40歳で出家するまでの物語です。
まるで映画を観ているかの如く、引き込まれてゆきます。 私自身、目標に向かって努力をするタイプでもなく、人に流され・自分に流されやすい人間。だから立派な人間よりもちょっとダメな人間の方が好きなのかもしれません。 そして女として、それだけの人生を歩む事になってしまうほどの美しさと色を持って産まれてきた智照尼に憧れと嫉妬の想い。「綺麗な人好き」の私としてはすっかりこの智漣尼に恋してしまいました。 運命を翻弄させるほどの美を持って生まれてくる、すごいなぁ・・・。
写真は以前祇王寺で撮ったものをデジカメで撮影。心霊写真ではないのでご安心を〜。
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