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2005/04/07(木)
答え…髪を切った[店長]
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「究極の選択だ。大切な妹を取るか、愛しい恋人を取るか。二人に一人。さぁ、選ぶといい。どちらの命を取るのかを」 松組のクイズ王・佐々木の言葉に土屋透也は無表情のまま片眉を少しだけ上げた。 「兄さんっ!!私のことはかまわないからっ!!」 「実沙!?だめだよつっちー!!大事な家族を見殺しにしちゃだめだ!!」 実沙の言葉にぎょっとして、如月輝恵はポニーテールをぶんぶん振って反発した。 「…………佐々木、クイズ王なら何でも答えられるんだな?……………………問題です…」
『みんな大好き(?)缶蹴り大会』 第参部 「つっちーとてるてると薄幸少年」
なぜこんな展開になってしまったのか、それは時間を2,3時間ほど戻して振り返ってみる必要があった。 わずかに残っていたコスモス組の生存者と共に、私は私立だからこそなせるようなただっ広い校庭を駆け回っていた。 極度の疲労と、みんなをまとめることになった責任感からか注意力散漫になっていて角を曲がったところで誰かとぶつかってしまった。 「っと!すまない、大丈夫か…って、実沙じゃないか?!どうしたんだ、お前が人とぶつかるなんて珍しいじゃないか」 ぶつかってしまった人物は私の1つ上の兄だった。 「え?…あ、兄さん!ぶつかってしまってすみません」 「いや、それはいいんだが、気を引き締めた方がいいんじゃないか?曲がりなりにもリーダーになったんだろう?」 「つっちー、実沙は疲れてるんだよ。午前中は斬り込み隊長として最前線に立って、今は司令塔も兼任しているんだから疲れない方がおかしいって」 兄さんの横には婚約者の輝恵義姉さんがいた。 兄さんと輝恵義姉さんは、兄さんが暴走するときがあるがそこを除けば幼等部一の熟年夫婦として有名なのである。 「あ、義姉さんも……って、え?何でその事を知っているんですか?」 確かに私は午前中は斬り込み隊長、今は司令塔を兼任しているが、私が姿を見せるのは年少、年中のみなので年長である兄さん達が知っているとは思わなかった。 「なんや、心外やな〜。わいのこと知らんのかいな。つっちー、ちゃんと教えときやー」 いつの間にか現れたのか、私の背後には関西弁の兄ちゃんがいて、私は心臓が飛び跳ねるほどに驚いた。 「あぁ、直やん。(本名:西川直也)何か新しい情報入った?」 「当たり前やん。生き残りクラスはあと4つや。うちの竹やろ、女帝はんがおる梅に、実沙ちゃんとこのコスモス。ほんでやっかいななんが松組や。年中で一番って言われてはったひまわり組をつぶしよったんよ」 私は直やんと呼ばれた人の情報網に感心した。 今のところ、正式に決定している残りクラスは先程直やんさんが言った4クラスに加え、年中ひまわり組と、年長杉組・銀杏組も残っていたはずだ。 いつの間にかその3クラスは脱落していたようだ。 それが放送される前に知っているなんてすごいとしか言いようがない。「えっ、じゃあ年中で残っているのは私たちコスモス組だけですか?」 「ま、そういうこっちゃな。流石に年少で残ってるんはおらんようや」 私がふぅん、と感心していると、トントンと誰かに肩をたたかれた。 「大丈夫?実沙」 そこに立っていたのは一緒に行動していた亮君だった。 「何?どうしたの亮君」 「…ちょっと待て。『実沙』だって?」 「えぇ、何か問題でもありますか?お義兄さん」 亮君が兄さんのことを『お義兄さん』と呼んだ瞬間、兄さんの頬がぴくりと動き、次の瞬間には2人の間にはこれでもかというほどの殺気が広がっていた。 「えーっと、君。名前は?名前も名乗らないのはひっっっっじょーーーーに失礼だよ」 「そうですか?相手の名前を知りたいのならまず自分から名乗るものだと思いますけど?」 「ああ、亮君!こっちは私の兄の土屋透也。年長の竹組なの。隣にいるのは恋人の如月輝恵さんで兄さんと同じ竹組。兄さん、義姉さん、こっちは同じクラスの越前亮君。軟式テニスが得意なの」 私は2人の間にただならぬものを感じ、無理矢理2人の間に入る。 「テーニースー?実沙、お前の好きなタイプはお兄ちゃんみたいな漢じゃなかったのか?」
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明日あたりに人物設定をあげたいと思います。(佐々木は除く。まだ決まってないんだもん)
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