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2005/07/30(土)
第4部続き・その4
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「どうも、やっとまともな実況ができますつっちーです!ものすごい技の出し合いになってますがしかし、技の名前を言う必要はあるんでしょうか?どうでしょう、てるてる」 「そうですねー。やはり本人の気分次第ですね。イチみたいな人だと技名を言って自分を乗せることによってさらに実力を増すことも可能ですし。テニスは精神面が試合を左右するスポーツですからね。そういうことも大事だと思います」 「なるほど。ということはこの試合、結果が見えなくなりましたね!!さて、今のところイチ・璃奈組が有利です!頑張れ実沙!!」 屋上で白熱した試合が行われているが、夕暮れの空模様がなんだか怪しくなってきた。 「なんだか雲行きが怪しくなってきましたねー。てるてる」 「そうですね、ちょっと暗くなってきました…これはもしかして…」 てるてるが言い終わらないうちにぽつりぽつりと雨が降り始めた。 と同時に、つっちーはてるてるに、イチ様は璃奈様に、亮君は実沙に、どこからともなく取り出した傘を差した。(注:試合そっちのけ) 「ありゃー、これは試合延期にした方がええとちゃいまっかー」 「まぁ、夕立でしょうから雨がやむまで一次休戦にしましょうよ」 「夕立の確率は75%。ちゃんと大型ビニールシートは用意してある」 璃奈様の言葉に、背後に黒子がずらりと並び、ビニールシートを頭上にかざす。 黒子がせっせとシートを敷いている間3組はラブラブ(?)な一時を過ごした。(直やんは除く) 「…独り身って、やっぱさみしいな。…本気で彼女つくろっかなぁ」 「あらあら、直やんってば濡れ鼠みたいにしょぼくれてる。どうしたんだろう?」 「ええって、ええって、わいなんかにかまわんでもええって…」 てるてるの言葉は慰めるどころか、余計に傷を深くするだけだった。 「あぁ愛しのマイスイートラバー、寒くはないかい?何だったら暖めて…」 「却下」 「てるてる、寒くないか?寒いのなら言えよ。俺が暖めてやるから」 「心はもう温まってるよ、つっちー」 「亮君…近すぎない?……それに手も離してくれると…///」 「寒いから人肌で暖めてよ」 「え、ハタ?…って、魚?ヒトハタなんてあったっけ?」 「ルールルーーーーララーーーールルルーーーーーー♪……ハァ」 直やんは3組のLOVE×2っぷりに当てられて、壊れた。 30分後、やっと雨は上がった。 「そんじゃ、ほな早う試合やってぇな」 「2-1の15-15でよかったよね」 「ふっ、よく追いついたな。だがここまでだよ君たち!『はにーLOVE』!!」 「実沙のためにも絶対負けるわけにはいかないっ!」 飛んでくるボールめがけ、亮君がラケットを思いっきり振った。 『なっ?!』 「あっ、あれはライジングショット!?」 「ライジングショット…、それはボールがコートを跳ねた瞬間に繰り出されるショット!!」 「ふむ、とにかくものすごいショットだということですね。…てるてるは頭がいいなぁ」 「さらに言うと、ライジングショットは普通に返す打球よりもタイミングが早いから相手にかまえる隙を与えない。つまり奇襲をかけることができるのさ!!」 拳を握りアツく解説をするてるてる。 微妙に口調も変わってます。 「ほんまにその通りやで、てるてる!30-15や!!」 機嫌も直った直やんがうれしそうにコールするが、イチ様は不敵な笑みを浮かべていた。 「しょうがねぇな。そっちがそれで来るなら俺は…リ○ムに乗るぜ!!」 「リ、リズ○…?てるてる、彼は一体何を?」 「とりあえず、気分ですね」 イチ様は外野の言っていることなど気にせずにサーブに入る。 「行くぜっ、『イン・マイハートの璃奈へ捧げる、熱烈アタックサーブ』!!」 「だから、私にではなくあいつらに捧げているだろうがっ!」 しかし、イチ様の打ったボールは綺麗に私の横を抜き去った。 「っ…!?びっくりした…」 「見たかい?見たかい璃奈!?素晴らしいだろう?ビューティホーだろう?さぁ、どんどん乗って行くぜ!!」 「亮君。今のサーブ、前までのより速くなってた気がするんだけど…」 実沙が亮君の方を振り返ると、亮君はじっとイチ様の方を睨みつけていた。 「亮君?どうしたの?」
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