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2005/07/15(金)
第4部 その3
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「―――!?…あ、30-30!」 「おおおおっ!!ワンダフルだよ、ビューティフルだよマイハニーv食べちゃいたい位にキュートだよvv」 「イチ、うるさい」 「あ、亮君…今のって、何……?」 私の問いかけに亮君は少し考え込み、口を開いた。 「…多分、俺の打ったトップスピンをスライスで返して2乗の回転をかけたんだと思う。スライス回転の打球はあまり弾むものじゃないんだけど、2乗の回転をかけたおかげで弾まずに、地面を滑っていったんだ」 「へ、へぇーーーーそうーーーー………(?????????)」 「ごたくはいい、早く始めろ」 璃奈様の言葉に亮君は璃奈様をにらみ返してサーブを打つ。 素早く帰ってきたボールを追い、実沙も賢明に頑張る。 頑張って頑張って頑張った結果が現在2-1だったりする。 「亮君、この調子で頑張っていこう!」 「っていうかマジにならないとはっきり言ってやばい」 「さーて、どんどん行くよマイハニー。俺の華麗なサーブを見ておくれ!『ハニー命』!!」 「ばっかじゃないの。もうその手には乗らないよ」 そういって球を打ち返そうとした亮君は、ラケットに当てた瞬間、その球の重さに思わず目を見張った。 「…くっ」 「チャーンス!行くぞマイハニー!!『2人の愛のロンド』!」 球の重さに耐えかねた亮君が高く打ち上げた球をめがけ、イチ様のラケットが風を切ってスマッシュを打つ! 「きゃっ?!!」 至近距離でのスマッシュに実沙は反応できずに、ボールはラケットを握っている右手に当たった。 『実沙(ちゃん)っ!!??』 その衝撃で倒れ込むがボールはまだ生きており、それを女帝が決める。 「「私(俺)達の美技に酔いな(さい)!」」 「15-0!ってか実沙ちゃん大丈夫か?!!」 「大丈夫、大丈夫!試合続けてOKだよ!!」 「審判、タイム」 実沙の言葉を遮るように亮君がいい、実沙の右手をそっと取る。 「あっあ…あ、亮君!本当に大丈夫だから///…そのっ…」 「少し腫れてるね。とりあえず冷えピタだけ貼っておくか」 どこから取り出したのやら、亮君はテキパキと実沙の手を治療し、冷えピタを貼る前にとってもとってもさりげなく、怪我の部分に顔を近づけ何やらした、ように見えた。 「怪我が早く治るようにおまじない」 「ふっ!?普通は『痛いの痛いのとんでいけ』じゃないの??!」 「越前ーー!!!てめぇ、許さねー!俺の妹に何さらしとんじゃこらぁ!!!今すぐ降りろ!コートを降りろぉっっっ!!!」 「つっちー!落ち着いて、落ち着いてーーーーーっ!!直やんっ、早く試合始めちゃって!」 亮君の行動にブチ切れたつっちー。 実況席から乗り出して亮君に喧嘩を売ろうとする。 てるてるはそんなつっちーを必死になって押さえていた。 しかし、外野の喧噪も何のその。 亮君はいつものマイペースさで周りを完全に無視していた。 「そんなのただの気休めだろ。さ、行こうか」 「えっ、あっ、うん///」 「…っていうかさ、アンタ達。俺の実沙を傷つけた罪は重いよ。その代償はアンタ達のプライドと体で払ってもらうから、覚悟しておいてよ」 「俺のマイハニーに指一本でも触れたら、君の明日はないと思いなよ?」 「………うぬぼれたバカ男を相手にするのは互いに苦労するな」 「…亮君は自惚れてなんかいないと思いますけど」 『バカ男』に反応したのか、心のマイ王子様をバカにされて実沙の顔つきが変わる。 「はーい、はいはい!おしゃべりはここまでにして試合始めんでー!」 「亮君!この試合、何としてでも勝とうね!絶対あの2人のプライドをずたずたに引き裂いてやるんだから!」 ただならぬオーラが実沙の周りから漂い始める。 「ふっ。どんなに頑張ったって無駄なあがきなのさ。さぁ行くぞ!『ハニー命』!」 「そっちが『ハニー命』で来るならこっちだって!!『ジャ○クナイフ』?!」 「やるな?!それなら『璃奈と共に星高くム○ンボレー』!!」 4人の間で様々な技の応酬が繰り広げられる。
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