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2006/05/22(月) レディレインの肖像原作版
世間では「Dancer」が間近に迫っておりますが、それはそうとして、去年の5月世界館は「レディレインの肖像」でした。昨日久々に「レディレインの肖像」の原作本を読み返していたのですが、やー・・・これ、ホントに全然話違うよなー。よくこの話をあの話に作り変えたものだと思いますが(作り変えたと言うか殆ど一から創作だ)、今日は原作版がどんな話かというのをちょっと書いてみたいと思います。



●登場人物●
(フルネームあるキャラはあと何人かいますが、主要なキャラは大体この辺で)

レィニィ・文(あや)・メリエス:愛称レディ・レイン。明治6年一月生まれ。オランダ人船員の父と、日本人の母をもつ通詞。1898年の時代から、現代に現れる。

石木哲郎:映像制作会社の演出家。大阪の国際国立美術館の紹介映画を撮りにきていたところ、そこで開かれていた「白いドレスの女」展でレディレインの肖像と出会う。

香月忠生:石木の同僚のカメラマン。

一野沢香:国立国際美術館の学芸員。石木に「レディレインに近寄らないで」と警告する。過去に、レディレインの肖像に心奪われた恋人を、殺されている。

経堂秋彦:石木の友人の大学の助教授。石木に頼まれ、肖像画の背景から描かれた場所を割り出し、レディレイン探しに協力する。

ウィラー・メリエス:レディレインの肖像を描いた画家。レディレインの夫。


「白いドレスの女」展が開かれている大阪の国立国際美術館。
ある日、夜警をしていた警備員が、絵の中で白いワンピースの女が動くのを見る。そのプレートには、

「ウィラー・メリエス 一八九八年 油彩、パステル<レディ・レインの肖像>」

と書かれていた。
後日、美術館の紹介映画の撮影のため、演出家の石木と、カメラマンの香月が美術館を訪れる。そこでレディレインの肖像を見た石木は、その美しさに心を奪われる。そして、肖像画の瞳の中と、下に落ちているブローチの中に画家の姿が描き込まれていることに気づき、興味を持った彼は、美術館学芸員の一野沢香を訪ねるが、彼女は何故か「レディレインに近寄らないで」と警告する。


その夜、レディレインが石木の前に現れ、自分を助けて欲しいと頼む。

レディ「あなたは私のことやさしく見てくれたわ。だから私のこと助けてくれるかもしれないと思ったのです。今がいつの時代でどこなのかも分からないまま、私は彷徨っていたわ。いつか私を救ってくれる人が出てくる、そう思って長い間、あなたとの出会いを待っていたのです。」
石木「・・・何からあなたを助けたらいいのですか」
「それは、私と一緒にきていただかなければなりません」
「何処へ」
「一八九八年に」
「どうやって百年も前に戻ることができるんですか」
「私もこうしてやってきました」
「一八九八年へタイムスリップか・・・」
「あなたはさっき文と呼んでくれたでしょう。とても嬉しかった」


レディレインは、自分のことが嘘でない証として、ペンダントを石木に渡す。石木がレディレインを抱き唇に触れると、突風とともに彼女は消えてしまう。レディから渡されたペンダントには、石木の写真が入っていた。驚いた彼は、友人の経堂、香月の協力を得て、レディレイン探しを始め、彼女が明治時代に川口の居留地にいた通詞(通訳)で、一八九八年にメリエス邸で発砲事件があったことを突き止める。その間も、レディレインは雨が降ると石木の元に現れ、石木はどんどん彼女に惹かれていくが、ある日、レディが発砲事件のことを石木に話す。メリエス氏の前妻も、以前銃の暴発に見せかけて殺されたという。


石木「文、君を助けるのはいつのこと」
レディ「多分、明日の晩よ」
「誰から」
「ウィラー・メリエス」
「画家の?」
「そうよ。あの人は私を殺そうとしている」
「どうして」
「彼の秘密を知ったから」
「どんな秘密を?」
「・・・私を殺したこと」


また、メトロポリタン美術館にいた一野沢香の恋人が、昔、レディレインの肖像の前で殺されたことがわかる。石木が彼女からもらったもう一枚のレディレインの絵には、引き金に指をかけたピストルを後ろ手に隠しているレディレインの姿と、足元にアナモルフォーシス(円筒状のものに映して初めて分かる歪象絵画)で描かれた男の死体があった。

香「あの女が、レディレインが彼を殺したのです。あの人は、自分の気に入った男性をいつも傍に置いておきたかったのです」

経堂たちは、石木にもうレディレインに会わないように言うが、レディレインが現れ、石木を一八九八年の発砲事件の日に連れて行ってしまう。ではここからラストシーンです。(続きます)


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