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2009/01/16(金)
旅客機不時着 NYの川、155人全員救助 エンジンに鳥
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15日午後3時半(日本時間16日午前5時半)ごろ、米ニューヨーク市のラガーディア空港を離陸直後のUSエアウェイズのエアバスA320型国内線旅客機(乗客150人、乗員5人)が、同市中心部のマンハッタン西側を流れるハドソン川に不時着水した。機体は川に浮いた状態となり、ニューヨーク市消防当局や沿岸警備隊が救助船を派遣。USエアウェイズ社は約1時間20分後、乗客乗員全員が救助されたと発表した。
在ニューヨーク総領事館によると、同機には大阪市の貿易会社「堺商事」現地法人に所属する滝川裕己(ひろき)さん(43)と出口適(かなう)さん(36)=いずれも現地在住=の日本人男性2人が搭乗していたが、無事が確認された。乗客の一部が病院に搬送されたが、消防当局によるといずれも軽傷で重傷者はいないという。
米連邦航空局(FAA)などによると、同機はノースカロライナ州シャーロットに向けて午後3時26分に離陸。45秒後、高度約500メートルの上空で、機長(57)が管制当局に「両翼のエンジンが鳥を巻き込んだ」と連絡した。
エンジンから火と煙が出たため、機長は緊急着陸を要請。管制当局は近くの空港への着陸を指示したが、同機はハドソン川に不時着水した。
機体はほぼ損傷がないまま着水しており、通常の着陸に近い滑らかな着水だったとみられる。米CNNテレビによると、機長は「ノー・エンジンで降下するので、衝撃に備えて」と乗客にアナウンス。FAAは2機あるエンジンの両方が停止していたとみて調べている。
現場は01年の同時多発テロ事件で旅客機が突っ込み崩壊した世界貿易センタービルから数キロの地点。マンハッタン市街地に降下すれば大惨事となるところだった。機長は十分な川幅があり、橋などの障害物がないハドソン川に機体を導き不時着水したとみられる。機長は操縦歴約40年のベテランで、米空軍のF4戦闘機のパイロットを務めた経験もある。
事故当時のニューヨークの気温は氷点下6度前後。着水後、乗客らは両翼の上に移動するなどして救助を待った。救助後、同機は前方部を残しほぼ水没し、記者会見したニューヨーク州のパターソン知事は全員救助を「奇跡だ」と語った。
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