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2009/01/01(木) 逃走21カ月…市橋容疑者“死亡説”も 警察「必ず生け捕りに」
千葉県市川市のマンションで昨年3月、ベランダに置かれた浴槽の中から砂に埋もれた英国人英会話講師、リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の遺体が見つかった。直前に事情を聴きに部屋を訪れた警察官を振り切って逃げた市橋達也容疑者(29)=死体遺棄容疑で指名手配=は今もなお行方が分からないままだ。事件後、市橋容疑者の口座からは現金の引き出しが1度もなく、死亡説までも浮上。「必ず生きて捕まえる」。県警行徳署捜査本部の地道な捜索が続いている。



 ■逃げられた!

 警察は初動捜査でつまづいた。

 “個人レッスン”は昨年3月25日朝に行徳駅前の喫茶店で行われた。店の防犯カメラには午前8時50分〜9時50分までホーカーさんと市橋容疑者の2人が店内にいた様子が撮影されていた。

 店を出た後、2人はタクシーに乗り、市橋容疑者宅に向かった。携帯電話はこの日の昼には通じなくなっており、ホーカーさんは市橋容疑者宅に入った午前中のうちに殺害されたとみられている。

 「連絡が取れず、家にも帰ってこない」

 翌26日、ホーカーさんと同居していた同僚から届け出を受けた千葉県警の警察官が、自宅に残されていたメモから、すぐに市橋容疑者宅を訪問した。

 しかし、ドアを開けた市橋容疑者は警察官を突き飛ばし、逃走を図った。

 マンション4階から階段を駆け下り、裏手に回って3メートルほどのフェンスを乗り越えた。このときに捜査員は追いついたが、背中のバックには、あと一歩のところで届かなかったという。

 警察にとって、聴取対象に逃げられるほど無様なことはない。

 市橋容疑者は高校時代は陸上部に所属し、短・中距離でならしていた。フェンスを乗り越えた後は靴が脱げながらも、全速力で行徳駅まで走っていき、以後、1年半以上が経過した今も行方が分からない。

 「行方不明者の関係先ということで、あの時点では容疑者と分からなかった。失敗ではないと思う」と捜査幹部は話すが、最悪の事態を想定した万全の対応を取っていれば、逃げられなかったかもしれない。

 「あのとき、捕まえてくれてさえいれば…」

 バーの関係者も、県警の初動に悔しさと疑問を投げかけている。

 
 ■潜伏か、路上生活か、それとも…

 「この辺りで、一見(いちげん)さんを雇うようなホストクラブはありませんかね」

 新宿・歌舞伎町のアダルトグッズ店に今年5月、千葉県警行徳署捜査本部の捜査員が聞き込みにやってきた。手には市橋容疑者の数種類の顔写真。

 「あらゆることを想定する」

 捜査幹部がそう話すように、女装を想定した顔写真もあったという。

 大学卒業後、定職に就かなかった市橋容疑者は、両親からの月10数万円の仕送りで生活していた。だが事件後、その口座からの引き出しは一度もない。

 逃走時の所持金は、ホーカーさんの財布から抜き取った現金をあわせ、5万円程度だったとみられる。当然、逃走資金は、とうに底を尽いているはずだ。

 市橋容疑者は、どこで何をしているのか。

 捜査本部では、(1)繁華街で働きながら身を潜めている(2)サバイバル生活や路上生活を送っている(3)だれかにかくまわれている−とみている。

 ただ、噂がたつこともなく、長期間かくまわれている可能性は低いとみている。このため、捜査本部では、新宿や池袋、渋谷などの繁華街に加え、路上生活者の多い上野の「山谷地区」を地道に聞き込みに回ることを続けている。

 なかでも歌舞伎町は市橋容疑者が事件前に、よく訪れていた所だった。雑多な街は犯罪者が身を隠すのには絶好の場所で、捜査本部は、聞き込みの重点地域に据えている。

 ■自殺説

 ただ、捜査本部が最も恐れるのが、第4のパターン「死亡説」だ。

 今年10月には、英国紙が「日本の警察は『容疑者は自殺した』と断定した」と大々的に報じた。結果は国家公安委員長自らが異例の否定するなどしたが、根拠のない自殺説は根強く残っている。

 捜査本部も、全国で身元不明の遺体が見つかるたびに照会を行うなどして、水面下で確認をしているという。

 事件直後は、捜査本部の電話が鳴りやまかったほどに集まった情報も、今では1日に2、3件程度まで減った。

 「死んだんじゃないですか?」

 現場近くでさえも、そう話す住民までいるほどだ。

 事件のショックから、ホーカーさんの同僚らの多くも帰国した。加えてホーカーさんが勤めていた英会話学校の倒産も重なり、事件を知る関係者は極端に減った。

 「風化が怖い」

 バー店主の妻は話す。

 今年3月に来日したホーカーさんの家族は、おそろいのTシャツを着て行徳駅などで情報提供を呼びかけるビラを配った。

 《捕まるまで眠れない》

 Tシャツには、市橋容疑者の顔写真とともに、こう記されてあったという。

 「必ず生きているし、そう信じないと士気もあがらない」(捜査幹部)

 初動で失敗した千葉県警は、通常の捜査本部事件の1・5倍にあたる150人の捜査員を投入し、今も行方を追っている。


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