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2008/08/05(火)
<河野澄子さん死去>義行さん「妻が頑張ったから、私も…」
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松本サリン事件被害者で長野県松本市の河野義行さん(58)は5日、サリンを吸って意識不明のままだった妻澄子さん(60)が亡くなったのを受け、自宅前で記者団の取材に応じた。「家族にとって事件が終わるのは妻が完治する日か、亡くなる日だと思い、闘い続けてきた。今日が一段落となる」と淡々と語った。
5日午前3時4分、澄子さんの14年余りに及ぶ闘病生活が終わった。自宅に連れ帰った遺体に真新しいピンク色のパジャマを着せ、「この曲で送ろう」と決めていたバッハのミサ曲を流しているという。
医師から「余命3カ月」の宣告を受けたのは6月。「それまで回復後の生活を考えてきたが、逝くまでどんな準備が必要なのか考えるようになった」という。以来、病院を訪れるたびに澄子さんの好きな曲をヘッドホンで聴かせてきた。
義行さんは「子供を大切にする良い母親で、私にとっては良き親友だった。『パパァ』と呼ぶ声が耳に残る。7年前から遺影を用意していたが、妻の死はやはりつらい」と胸中を語った。
今後については「支えがなくなり、自分がどうなってしまうか不安だが、妻が頑張ったんだから、私も頑張っていく」と話し、執筆や講演活動を続けていく意向を示した。
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