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2008/06/15(日)
<イラン邦人誘拐>中村さんテヘランに到着 17日帰国へ
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イラン南東部で昨年10月、武装麻薬密輸団に誘拐され拘束されていた横浜国立大生、中村聡志さん(23)は14日解放され、15日にテヘランに到着、在イラン日本大使館が無事保護した。日本政府は事件の緊急対策本部長の小野寺五典副外相を同夜、イランに派遣。中村さんの父淳貴(きよたか)さん(54)も同行し、16日にテヘランで中村さんの身柄を引き受けて17日夜に帰国する予定だ。
現地警察によると、中村さんはパキスタン領内で約8カ月ぶりに解放されたあとパキスタン当局に保護され、国境でイラン当局に身柄を移された。テヘランの空港に降り立った中村さんは元気そうな様子で、日本大使館員に「ほっとしました」と話したという。
高村正彦外相は15日、「イラン政府が総力を挙げて努力されたことに深い謝意を表したい。誘拐という卑劣な犯罪行為を断固非難する」との談話を発表した。
中村さんは昨年10月7日、イランのケルマン州バムで、宿泊先から城塞(じょうさい)遺跡を見物に出掛けた後、少数民族バルチ人の密輸団「シャハバフシュ」に誘拐された。
密輸団は当初、中村さん解放の見返りに収監中の仲間3人の釈放を要求。イラン当局は拒否したが、今年3月、要求を基本的に受け入れる形でいったん合意した。だが、密輸団は翌4月、イスラム教シーア派聖職者を新たに誘拐し、先の要求に2人を加えた計5人の釈放を求め、交渉は暗礁に乗り上げた。
イランのモホセニエジェイ情報相は14日、「イラン当局が情報活動などにより密輸団の主要メンバーを逮捕、密輸団側が日本人と聖職者を解放せざるを得なくなった」と発表した。逮捕者の人数などは明らかでない。
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