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2008/06/12(木)
点滴死 タオル使い回し ずさん衛生管理 谷本整形
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三重県伊賀市の「谷本整形」で点滴を受けた患者が異常を訴え、73歳女性が死亡した問題で、谷本広道院長が12日、診療所で報道陣の取材に応じ、点滴薬剤の作り置きについて「以前はたくさんやっていた」と述べた。一方、県の立ち入り調査などで、院内感染対策の指針がなく、作り置きした薬剤を事務机に置いたり、看護師がタオルを使い回しするなど、ずさんな衛生管理が明らかになった。
院長が問題発覚後に取材に応じたのは2回目。県警の家宅捜索終了直後に玄関に姿を現し、「野戦病院のような診療所で、多い時は(1日)350人の患者を診ている。院内感染の発生率も高いと思う」と語った。
「昨年と一昨年に(今回と同じような被害が出た事案が)2件あった」と明かし、「(看護師にはその後)そういうことをするなと言ったが、徹底されていなかった」と述べた。「反省しなければならないところが細部にわたっていろいろある」としたが、「私は早朝から深夜まで休みなく働いている。命をかけてやっている」と涙ぐむ場面もあった。
一方、立ち入り調査などによると、診療所では毎朝、10〜30人分の点滴薬剤を作製。鎮痛剤の点滴の調合作業は待合ロビーの奥の「中待合」の作業台と隣接する点滴室の2カ所で行い、調合後は点滴室の事務机の上で薬剤納品用の紙箱に入れて保管。医療機関では手洗い後は紙タオルや使い捨ての滅菌布を使うのが普通だが、布製タオルを掛けて看護師が共有使用していた。
県の担当職員は「感染症への認識が薄いという印象を持った」と話した。
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