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2008/04/21(月)
昭和の味…「聚楽台」閉店
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JR上野駅前の老舗レストラン「聚楽台(じゅらくだい)」が21日閉店した。駅前に店を構えて半世紀。“上野の顔”として親しまれてきたが、建物の老朽化のため、ひとまず役目を終えた。
同店は昭和34年、高度経済成長のまっただ中に開店。「集団就職で田舎から上京して、ここで人生初の洋食を食べたという若者も多かった。上野の街と一緒に歩んできた自負があるから、ここで終わらせたくはなかったが…」と店長の鶴田文三さん(51)。
最後の営業日となった21日には、懐かしの味や店内を記憶に留めようと、最盛期を思わせる約3000人の客で、終日にぎわった。 足立区から、夫婦で訪れた辻義明さん(62)は、「集団就職で15歳の時に上野駅に上京した。その時、この店で食べた五目そばを今日は注文した。昔を思いだした」と昔を懐かしんだ。 板橋区から来たという箱崎光義さん(53)は「上野の映画館で寅さんの映画を見た後、よく来たもんだ。大衆食堂みたいでよかったが、今日で最後だと思うと寂しい。新しい建物になったら必ず来る」と語った。 午後10時の閉店時間を迎え、名残を惜しみながら思い出の店を後にした。千葉県船橋市の斎藤俊行さん(50)は「午後7時に仕事を終えて駆け込んだ。最後の最後に来られてよかった。寂しくなる…」。
最後の客を見送った鶴田さんは「お客さまと従業員とが一体になってやってきた店なんだなと心底感じた。(建て替えが終わる)2半後に営業を再開しても、またここで働きたい」と話していた。
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