|
2008/04/01(火)
<ガソリン>「値段隠し」の動きも…利用客不満 都内
|
|
|
暫定税率失効でガソリンの値下げが始まった1日、東京都内のガソリンスタンド(GS)の一部が、店頭の価格表示を撤去する「値段隠し」の動きをみせた。安売り競争に歯止めをかけ、値下げできない零細店を守る狙いでGS同士が水面下で結んだ申し合わせ。業界団体は「違法なカルテル(協定)ではない」と強調するが「値段で店を選べないのはおかしい」と利用客からは不満が漏れた。
墨田区のGSは、3月末までレギュラーガソリンを1リットル146円で販売し、売値を店頭の看板で掲示していた。しかし、1日は午前8時の開店から看板の数字を外して空欄にした。実際は16円下げて130円で売った。
責任者によると、31日夕、同区内の別のGSから「みんな看板を出しませんが、お宅もどうですか」と同調を促す電話を受け、1日の本社の方針で空欄にしたという。狙いについて「税金分25円がまるまる下がると誤解する客もおり、トラブルを避けるためだった」と説明している。
このGSの周囲1キロには他に6店あり、うち4店は値段を掲げていなかった。ところが1日夕になって、価格を隠すことが不利とみたのか、従来通りに掲示する店が現れた。いったんは他店と歩調を合わせたものの、最初から値段を出している店もあり「協定」は崩れた。
都内GSの約9割に当たる1400店が加盟する東京都石油業協同組合によると、3月26日の理事会で、複数の理事から「混乱を防ぐため、値段を掲げないよう足並みをそろえてはどうか」という意見が出たという。高島孝典専務理事は「組織的取り決めなら(独占禁止法で)違法なカルテルかもしれないが、GS同士が自発的にやるなら過当競争を防ぐ一つの手段だと思う。理事会でもそう説明した」と黙認する。
しかし納得できないドライバーも多い。自家用車を運転していた墨田区の会社員、柴原信治さん(39)は「ここはもともと近隣よりガソリンが高い地域。せっかくの値下げだからきちんと価格を示すべきだ」と話した。
|
|
|
|