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2008/03/01(土)
極薄モザイク見逃しビデ倫審査部長逮捕
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警視庁保安課は1日、アダルトビデオ(AV)の適切な審査を怠り、わいせつなDVDを流通させたとして、わいせつ図画販売とほう助などの疑いで、AVの自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)の審査部統括部長の小野克己(51)、アダルトDVD制作会社「h・m・p」社長の五郎川弘之(46)、同「アットワンコミュニケーション」社長の梅沢幸雄容疑者ら5人を逮捕した。アダルトビデオを巡り、自主機関の担当者が逮捕されるのは初めて。
調べでは、小野容疑者は06年7月と8月に、「h・m・p」が審査を申請した2作品について、モザイク処理が薄く男女のわいせつ行為が確認できる状態で販売されていることを知りながら、わいせつ性はないと判定し、販売を助けた疑い。また、五郎川容疑者らは06年9月〜07年12月まで7作品、約1万3000枚を販売した疑い。
AVメーカーは独自の審査機関を設け、わいせつ性などを判定している。ビデ倫は1972年発足の業界最古、最大の団体だったが、約10年前から、新興の制作会社がビデ倫を脱退し、独自の審査団体を設立。業界関係者によると、新団体は審査基準が緩く「性器の形が分かるほど」過激な映像で売り上げを伸ばしていたという。
その影響を受け、ビデ倫の推定出荷総数は、04年約2200万本をピークに、06年に約4割減の1300万本まで激減。会員の制作会社から基準緩和を求める声も上がっていた。
ビデ倫の加藤博之理事長らは1日、「表現の自由、国民の知る権利、見る権利の侵害であり、自主規制団体への介入に強く抗議する」とし、「ビデ倫には35年の歴史があり、由緒正しい審査団体と自負している。わいせつな商品を作らせないための団体で、容疑はまったく理解できない」と訴えた。
◆日本ビデオ倫理協会 1972年にビデオ制作会社3社が参加し発足した自主審査機関。当初「成人ビデオ倫理自主規制懇談会」という名称だったが、77年に「日本ビデオ倫理協会」に変更した。理事会、評議員、審査部などで構成され、審査対象はほぼすべてがアダルト作品。06年の審査本数は約6000本。会員社は07年8月時点で94社。
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