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2008/12/08(月)
偽造判決文 家裁書記官、架空戸籍作成か 住所地に出入り
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偽造された判決文により凍結解除された銀行口座から現金が引き出された事件で、京都家裁書記官、広田照彦容疑者(35)=偽造有印私文書行使容疑で逮捕=が、勤務先の家裁で、戸籍を作るための就籍許可審判書を偽造して架空の人物を実在するかのように装った疑いがあることが埼玉県警の調べで分かった。この人物の「馬場(ばんば)」名義の口座には1000万円以上が振り込まれていたとされる。
県警などによると、さいたま地裁熊谷支部に偽造された京都地裁の判決文が送られた同時期に、札幌地裁や函館地裁など複数の裁判所にも同様の判決文が郵送された。これを受けて一部の裁判所は金融機関に対し、振り込め詐欺事件などで凍結された口座の差し押さえの手続きを進め、偽造判決の原告が口座残高を差し押さえることができる状態になった。原告はいずれも、熊谷支部に届いた判決と同じ「馬場」姓の男の名前だった。
一方、「馬場」姓の男の戸籍は07年9月に京都家裁での就籍手続きを経て取得されたことになっていた。手続き上の理由は「記憶喪失で自分が誰か分からなくなった」との申し立てがあったとされる。ところが、県警が調べると、この就籍手続きの担当書記官を広田容疑者が務めたことになっていたが、実際の手続きは行われていなかった。
さらに県警は「馬場」姓の男の住所地とされる大阪府内のアパートに出入りする広田容疑者を確認。男の口座に振り込まれるなどした金は計1000万円以上に上り、全額が京都市内のATM(現金自動受払機)から引き出されていたことも確認した。また、防犯カメラにも広田容疑者と似た男が映っていたという。
こうした状況から県警は、広田容疑者が「馬場」姓の戸籍を偽造し、実在する人物を装い口座を作っていた可能性もあるとみて調べる。
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