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2008/12/31(水)
北島「まつり」でさようなら…新宿コマ52年の歴史に幕
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「演歌の殿堂」と呼ばれ、新宿・歌舞伎町の象徴でもあった「新宿コマ劇場」が31日、52年の歴史を残し閉館した。最後の公演となったのはテレビ東京系の大みそか恒例の音楽番組「第41回年忘れにっぽんの歌」で、同劇場で1790回の座長公演を行った北島三郎(72)をはじめ全70組の歌手が登場。最後のステージを彩った。日程は未定だが、劇場は解体され、今後は複合ビル建設のための工事に入る。
39年間、毎年コマのステージに上がり続けた北島をはじめ、五木ひろし(60)、森進一(61)の大御所から氷川きよし(31)まで、演歌界が勢ぞろいしてコマに別れを告げた。番組終了後、司会を務めた徳光和夫アナ(67)が一本締めの音頭を取って最後のあいさつが終わっても、観客からは閉館を惜しむ拍手が鳴りやまない。
華々しく最後を飾るかのように、オープニングは北島の「まつり」。ステージには北島を中央に、ほかの出演者も登場。劇場名物、3層の円形舞台が回転しながらせり上がり、大漁旗が振られる中でのスタート。出演者は総勢70組で、コマの歴史を振り返る構成だ。
五木や前川清(60)、天童よしみ(51)らコマで座長公演を務めた出演者は登場時に惜別のコメントが紹介。64年にコマ劇に初登場し、25年間ドル箱公演を続けたコマ劇とゆかり深い故・美空ひばりさんもピックアップされ、コマ初舞台で共演した林与一(66)がゲストで登場。原田悠里(54)が「愛燦燦」を歌ったほか、ひばりさんの名曲4曲が披露された。
68年にコマ初出演し、39年間で1790回の座長公演を数える北島は「52年間、じっと見守り育ててくれたコマ劇場。ありがとう、そして、さようなら」とメッセージ。この日が最初で最後のコマの舞台となったジェロ(27)も「いつかは歌ってみたかった」と思い出のステージになったようだ。
歌舞伎町のシンボルとして52年間、愛され続けてきたコマ劇場。この日の開演前、楽屋口で多数の関係者、ファンが出演者を出迎えたが、ある男性は「この日で最後だからね。やっぱりさみしい」とぽつり。「年忘れ−」終了後は、NHK紅白歌合戦の北島の曲紹介で綾小路きみまろ(58)が劇場から中継で登場。最後の役目を終えた後は特別なセレモニーなどは設けられず、深夜まで機材の搬出作業が行われた。徳光アナが「憩いの殿堂」と表現したコマ劇は、静かにその灯が消され52年の歴史に幕を下ろした。
◆新宿コマ劇場 1956年12月に開場。劇場名は3層の円形舞台が独楽(コマ)のまわる様子に似ていることから命名された。東京・新宿区歌舞伎町のランドマークのひとつで、「演歌の殿堂」として演歌歌手が特別公演を行ってきたほか、演劇、ミュージカルも数多く上演。近年の入場客の減少と建物の老朽化も重なり、08年5月に同12月31日を最後に閉館することを発表。09年初めにも建物は取り壊され、複合ビルが建設される予定だ。
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