|
2008/01/03(木)
箱根駅伝 駒大3年ぶり6回目の総合V 9区で逆転
|
|
|
第84回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)最終日は3日、神奈川・箱根町から東京・大手町までの復路5区間109.9キロで争われた。往路2位の駒大が9区で逆転し、11時間5分0秒で、4連覇した05年以来3年ぶり6回目の総合優勝を果たした。
12年ぶりに往路を制した早大が2位に入った。予選会から出場の中央学院大が3位、関東学連選抜が4位と、いずれも過去最高成績を残す大健闘。学連選抜がシード権獲得ラインの10位以内に入ったため、シードは10位の東洋大までの上位9校となり、来年は予選会からの出場校が1校増えて10校となる。
総合優勝候補だった東海大は10区の選手がレース中に負傷し途中棄権した。大東大も9区で棄権し、往路の順大を含め途中棄権が過去最悪の3校という波乱の大会になった。
金栗杯(最優秀選手賞)には、9区で区間新を記録し、中央学院大の3位に貢献した篠藤(しのとう)淳(4年・飾磨工)が選ばれた。(スタート時の気象条件=晴れ、気温氷点下3.3度、湿度80%、南南西の風0.4メートル)
【復路レース経過】
早大に1分14秒差の2位でスタートした駒大は、6区で3分11秒差をつけられた。だが、7区・豊後が追い上げ、2分14秒差でタスキを受けた8区・深津が区間賞の好走で15秒差に。9区・堺は2キロ過ぎに早大・三輪に並ぶと、8キロ過ぎの下り坂で引き離し、その後はリードを広げた。
早大は6区・加藤が区間賞だったが、その後は逃げ切れず2位。中央学院大は9区・篠藤が区間新の快走で3位に浮上した。往路8位の東海大は区間新の7区・佐藤が3位に上げたが、その後は後退し10区・荒川がねんざで棄権。大東大も9区・住田が脱水症状で棄権した。
▽駒大・大八木弘明監督 (優勝経験者がいる)今回勝たないと来年につながらないと思っていた。他校にエース級がいた往路を1分14秒差で来たのがポイント。6区でつまづいたが、7区以降が焦らずよく走った。
○…最終10区で東海大を途中棄権の悲劇が襲った。荒川が6キロ付近の踏切で右足をとられてねんざした。フィニッシュまで残り約2キロまで走り続けたが、3度目の転倒で大崎コーチが駆け寄り、激痛に顔をゆがめて「すみません」と謝る荒川を止めた。
総合優勝候補の東海大は往路で8位。ばん回を目指し、7区のエース・佐藤が3年連続の区間記録更新の快走で期待に応えた。チームは6位から3位に。だが、後が続かなかった。7年ぶり2回目の途中棄権に選手たちは号泣した。3年生の佐藤も「タスキがつながらず悔しい」と涙を流した。「アクシデントを踏み台に成長してほしい」。新居監督はそう願った。
○…早大が名門復活を印象付けた。これまで苦手としてきた「山下り」の6区で、2年生の加藤が目標を15秒上回る59分15秒の快走を見せ、区間賞で駒大との差を広げた。7、8区も首位を守り、9区でかわされたが、その後も粘りを失わなかった。渡辺監督は「よくしのいでくれた」とたたえた。
来年は93年以来の総合優勝が目標だ。卒業する5区の駒野に代わり、エース・竹沢が主将を継ぐ。マラソンで一時代を築いた中山竹通さんの長男ら有力4選手の入部も決まっている。渡辺監督は「総合優勝は絶対逃さない。来年は駒大との一騎打ち。負けない練習量で層を厚くしたい」と張り切っていた。
○…前回13位で予選会1位の中央学院大が3位に入り、チーム最高成績(05年の9位)を大きく更新した。
立役者は9区の主将・篠藤。区間新の走りで6位から3位に浮上し「10キロまで設定タイム通り。リズムが良くて後半もペースを維持した」と振り返った。今春、山陽特殊製鋼に入社する。06年日本選手権三千メートル障害優勝の篠藤は「その種目で北京五輪、ロンドン五輪を狙っていきたい」と新たな目標を掲げた。
○…関東学連選抜が前回20位から4位に大躍進した。原監督(青学大)は「今回は選手の本気度が違った」と指摘する。本大会出場を逃した11校から集まった16人に練習会などで「箱根にお祭りで出るのか、本気で出るのか」と問いかけ、「本気で3位以内を狙う」と意志統一を図った。
立大から40年ぶりに箱根路を走った9区の中村は「陸上は高校3年の途中で一度やめた。福祉の勉強がしたくて大学に進学した」という。原監督は「学連選抜の制度は競技レベルの底上げにつながっている」と強調した。
学連選抜がシード権獲得ラインの10位以内に入ったため、シードは9校となり、来年は予選会からの出場校が1校増えて10校となる。
|
|
|
|