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2008/01/02(水)
槍ケ岳雪崩 4人の遺体収容 無事の3人も下山
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岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプスの槍ケ岳の槍平小屋付近(標高約1991メートル)で先月31日午後11時半ごろ、雪崩が発生し、テントで休んでいた2パーティー計7人が巻き込まれた。近くにいた登山者らが全員を救出したが、男性4人が窒息死した。無事だった男女3人は2日、岐阜県警山岳警備隊員らと下山した。現場は数日前から雪が降り、新しい雪が滑り落ちる表層雪崩が起きたとみられる。4人の遺体は2日、県警のヘリコプターで収容された。
雪崩に巻き込まれたのは「徳島岳人クラブ」の男性3人と女性1人、「三峰山岳会」(東京都)の男性3人。死亡したのは岳人クラブが▽徳島県松茂町笹木野、漁協職員、市川啓二さん(51)▽徳島市南常三島町、徳島文理大職員、西井健さん(31)。山岳会が▽神奈川県海老名市下今泉、内装業、越前屋晃一さん(60)▽東京都目黒区碑文谷、会社員、金指伸一さん(45)。
現場は比較的なだらかな地形で、北側に「冬季小屋」、10〜20メートル南側に「夏季小屋」がある。登山者の話や高山署の調べでは、雪崩発生時、夏季小屋の東側に5、6張り、南側に3張りのテントが設営され、両パーティーは夏季小屋南側に別々に張ったテントで就寝中だった。雪崩は西側の急斜面で発生し、沢を越えて二つのテントを直撃したとみられる。
岐阜県飛騨地方では昨年末、強い寒波による降雪が続き、岐阜地方気象台が31日午前7時半、飛騨北部で大雪警報(24時間降雪量が80センチ超)を出しており、雪崩発生時は、雪崩注意報も出ていた。周辺の観測地点では、24時間の降雪が槍ケ岳西側の飛騨市神岡町で30日に11センチ、31日には50センチを記録していた。現場の積雪は2日現在約2.5メートル。
登山計画によると、両パーティーとも12月30日に入山し、徳島岳人クラブは1月2日、三峰山岳会は4日に下山予定だった。槍ケ岳では1973年11月にも、槍平小屋北側で起きた雪崩で、テントにいた京都大山岳部のパーティー22人のうち5人が死亡し、17人が凍傷などのけがをしている。
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