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2007/09/06(木)
台風9号 旅行者足止め 交通網混乱 各地で突風被害
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関東地方を暴風域に巻き込みながら北上した台風9号の影響で6日、交通網は混乱。厳戒態勢の首都ではビジネスマンらが“アフター5”を控えて家路を急ぎ、予定変更を余儀なくされた人からは恨み節が漏れた。一方、各地で突風による被害が相次いだ。
JR東京駅では、列車の予定時刻の掲示を不安げに見つめる人が目立った。横浜の会社に勤める紙谷重一さん(58)は「せっかくだから東京の仲間と一杯やりたかったんですが、心配だから早めに帰ります」。
東海道新幹線が一時運休となったことで足止めを食らった多数の乗客が、改札前の階段にぐったりと座り込む姿も。鞄の上に座り込んでいた名古屋市の病院職員、竹内稔さん(38)は「ホテルはどこも満員みたい。最悪、ここに段ボールを敷いて寝ます」と同僚と缶ビールを開けていた。
大阪から観光にきた大学生グループは帰りに予約した高速バスが運休になり、足止め状態に。男子学生(21)は「ホテルがなかなか取れません」と不安げに携帯電話をかけ続けていた。
東海道新幹線は同日午後11時前、同5時台に出発予定だった下り列車2本が発車し約5時間半ぶりに運転再開。約100人がぐったりした表情で列車に乗り込む一方、車内泊用の列車も用意され、さらに疲労の色をにじませていた。
在来線もJR常磐線や中央線、東海道線が相次いで運転を見合わせるなど、首都圏の在来線は麻痺(まひ)状態に。台風の予想進路に当たる区間の長距離夜行列車もすべて運休となり、各駅の窓口には、特急料金の払い戻しなどで長い列ができ、駅員が対応に追われていた。
空の便も混乱し、日航98便、全日空77便、スカイマーク10便、スカイネットアジア6便などが欠航し、4万1000人以上に影響が出た。
一方、台風9号の影響で突風が各地で吹き荒れ、割れた窓ガラスでけが人が相次いだ。
同日午後8時35分ごろ、栃木県日光市湯元の奥日光小西ホテルで、1階食堂の二重窓の内側のガラス窓9枚が外れて落下、修学旅行で来ていた神奈川県相模原市立小山小6年の女子児童2人がガラスの破片で頭などを切るなど、計6人が軽いけが。千葉県では午後9時45分ごろ、JR総武快速線新小岩−市川間を走行中の快速電車の左側窓ガラス1枚が割れ、乗客の男女7人が破片でけがをした。
また、静岡県熱海市では午後9時ごろ、県警熱海署の「熱海警察署」と書かれた看板(高さ約4メートル)のステンレス製上ブタ(縦76センチ、横33センチ)が強風のため飛ばされ、道路を隔てた民家の2階窓ガラスを直撃。けが人はなかった。
静岡県内ではこのほか、島田市で市道を歩いていた女性(93)が風にあおられて転倒し、左足骨折の重傷。神奈川県相模原市の倉庫でも、台風の接近に備えて屋根の清掃作業をしていた男性会社員(56)が屋根を踏み抜いて約5メートル落下、全身を強く打って重傷を負った。
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