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2007/09/04(火)
メモリアル弾で決めた!イチローが7年連続200安打達成!
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マリナーズのイチロー外野手(33)がヤンキース戦の三回、ロジャー・クレメンス投手(45)から6号ソロを放ち、1900年以降の近代野球ではウエード・ボッグス(レッドソックスなど)と並ぶ史上2人目、新人からでは史上初となる7年連続のシーズン200安打を達成した。7−1の快勝で連敗を9で止めたマ軍は、ワイルドカード(各地区2位の最高勝率)争いで首位のヤ軍に1ゲーム差とした。
狙っていた。明らかにいつものイチローとは違っていた。一回に右前打を放ち、リーチをかけて臨んだ三回の第2打席。クレメンスの3球目をとらえると、打球は右中間スタンドで弾んだ。ヤンキースタジアムで、7年連続200安打の偉業を成し遂げた。
「この(狭い)球場なら…。しばらく出てないホームランがここで出るのは何かある。ちょっと僕自身が『いい感じ』と思ってしまいました」
こぼれそうになる笑みをこらえて、ダイヤモンドを一周した。ただの記録達成ではない。ワイルドカードを争うヤンキース相手、しかも敵地で、マウンドには米大リーグ通算354勝の剛腕クレメンス。6月5日(日本時間6月6日)のオリオールズ戦以来、約3カ月ぶりの一発となる勝ち越しの6号ソロで決めた。
思えば前戦(現地時間2日、対ブルージェイズ)では2三振を含む4打数無安打。悪球を空振りするシーンもあった。その翌日に…。まるで“大舞台”での達成を狙っていたかのような変身。これが天才だ。
積み重ねる記録だけに、たどり着くまでの過程を重視する。昨季は200安打を目前に“足踏み”が続いたが「そこを超えたいなあと、強く意識して超えた。超えたことの方が今回はうれしい」。苦しんだのは不必要な意識、邪念。一方で「少なくとも去年とは全く違う」と技術面での進歩も口にした。
シーズン中は詳細に打撃を語らないが、昨年は180安打前後で「打ちたいという色気が強くなり過ぎた」という。じっくりボールを見ようとすることで右足の始動の遅れにつながった。今季はこの現象が見られず、7年間で3番目の早さとスムーズな200安打到達だった。
「9連敗だったから雰囲気は最悪。でも、どんな状況でも個人の仕事はやらないと。今年は今までと違う状況だったが、そこで同じような数字を残すことは僕にとっての“マスト(必須)”だった」
来季も200安打を達成すれば、1894年から1901年にウイリー・キーラー(スーパーバスなど)が記録した史上最多の8年連続に並ぶ。メジャーの頂点に近づきつつある男の一発で連敗を止め、ヤンキースとは1差接近。自らのメモリアルを自ら何重にもデコレーションして、今年もまた天才は節目の数字を超えた。
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