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2007/09/24(月)
安倍首相 姿弱々しく会見 危機管理に明確な説明なし
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ものものしい警備と対照的に、記者会見場に現れた安倍晋三首相は弱々しい姿だった。辞任表明の際、その最大の理由が体調だったことを伏せたが、24日の記者会見では「率直に話すべきだった」と反省の弁を口にした。容体が悪かったにもかかわらず臨時代理を置かなかった安倍首相。大災害やテロがあった時、きちんと指揮を取れたのか。最後まで明確な説明はなく、専門家からは批判の声が上がっている。
「時間は約10分」「会見場に入れるのは1報道機関あたり2人」。安倍首相が入院する慶応大学大学病院(東京都新宿区)で開かれた会見は、厳しい条件付きだった。チェックを受けた記者は、SPや官邸職員に囲まれて会見場に移動。通りかかった看護師らが驚いたような視線を向けた。 「在職中に自らの体調について述べるべきでないと思っておりましたので、あえて言及しませんでした」「結果として国民の皆さんに私の真意が正確に伝わらず、非常に申し訳なく思っております」 手元のノートに書かれた原稿に目を落としながら言葉を継ぐ。辞任表明の時期については「所信表明の直後で、最悪のタイミングになってしまった」と謝罪を重ねた。 臨時代理について、与謝野馨官房長官はこれまで、「どうしても首相官邸に戻らなければならない危機が起きた場合には、(病院との)距離は5分ぐらい」と説明してきた。この日、会見場の隅のいすに座った与謝野長官は、眉間にしわをよせて視線を落としたまま、微動だにしなかった。 臨時代理の不在を問われた安倍首相の答えは「法律にのっとって、職務の上で支障を来すかどうかという判断の上に、今回は臨時代理を置かなかったということになりました」。だが自身の主体的な判断だったのかどうか、何を判断基準にしたのかについては言及しなかった。 「だんだん食事もできるようになりましたので、1日も早く退院できるようにと思っております」。今後について問われ、第一に挙げたのは健康回復だった。
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