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2007/08/06(月)
「ホームレスはゴミ」ベンチで寝ていた男性に“放火”少年5人殺人未遂
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「ホームレスはゴミ」−。東京・北区の公園のベンチで寝ていた男性に火を付け、重傷を負わせたとして、警視庁少年事件課は6日までに、殺人未遂の疑いで、いずれも東京都北区に住むタイル工の少年(17)と無職少年(15)、高校1年の男子生徒3人の計5人を逮捕した。男性は公園の噴水に飛び込んで自ら消火したが、全身の約3割にやけどを負う重傷。少年たちは以前から、ホームレスへの嫌がらせを繰り返していた。
「殺される! 熱い!」。区立赤羽公園に、火だるまの男性の叫びが響き渡ったのは、5月13日午後11時55分ごろだった。調べによると5人の少年は「ゴミを掃除するぞ」などのかけ声とともに、公園入り口付近のベンチで寝ていた住所不定の清掃作業員の男性(52)を襲撃した。
男性の腹の上にライターオイル約100ミリリットルを入れたポリ袋を置き、ライターで点火。主犯のタイル工の少年は調べに対し「ホームレスはゴミだ。人間として最低で、世の中の役に立っておらず、犬や猫と一緒。生きていようが死んでいようが気にしない」などと話している。
この公園で寝泊まりして約2年の無職男性(45)は、少し離れたベンチから事件を目撃。「ワーッ、助けてくれ!」という声とともに「黒いスウェットを着た男が、右半身のひざから上、頭の上にまで火柱が上がっていた」。火を付けられた男性は、約80メートル走った末に噴水に飛び込んだという。別のホームレスの男性が公衆電話から119番したが、そのときには少年たちの姿はなかった。
九死に一生を得た男性は、噴水からむっくり起きあがると「参ったなぁ」などとつぶやきながら、いったん敷地外へ。しかし、全身の約3割にやけどを負う重傷で、現在も入院中だ。
目撃情報や防犯カメラの映像から、特定された少年らは区立中学の同級生が中心で、日ごろから付近をたむろ。今年4月からホームレスに花火を向けたり、投石したりしていたという。5月11日から13日にかけては、北区東十条の階段で寝ていたホームレスも襲撃。段ボールに火をつけたり、顔にたばこの火を押しつけたりしていた。
公園に出入りするある男性によると、赤羽公園では約10日前にも不審火が発生。さらに、事件の数日前の午前3時ごろ、露店で鯛焼きを売る女性が商売を終え、公園で一眠りしたとき「隣に置いたジャンパーが燃やされて、どやしつけたら、若い3人組が走って逃げたと言っていた。同一犯ではないか」と明かした。
今回被害に遭った男性は、家庭の事情で家出中で、普段はネットカフェで寝泊まり。たまたま、公園で寝ていたところを少年たちにホームレスと思われ襲われた。
公園で暮らす人たちによると、赤羽公園には「多いときで20〜30人」が寝泊まり。夏は花火などで若者が集まるが「いつもいる人同士なら、お互い気遣うこともできる。今回は普段いない人が狙われたんじゃないか」と推測する人もいた。
前出の目撃男性は「公園の入り口付近で火をつけるなど、逃げやすいように頭を使っている。寝込みを襲われたら、防御のしようがない」とおびえていた。
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