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2007/08/28(火)
末続まで…開催国の名が泣くぞ
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末続も駄目だった。世界陸上(長居陸上競技場)第4日の28日、男子二百メートル2次予選に出場した03年パリ大会銅メダルの末続慎吾(27=ミズノ)は20秒70で3組6着と敗退。1次予選を突破した日本勢3人は、いずれも準決勝へ進めなかった。同四百メートルに出場した金丸祐三(19=法大)も左太腿裏を痛めて途中棄権。いまだにメダルがない地元・日本勢の不振に歯止めがきかなくなってきた。
日本短距離のエースが無残に散った。過去3度の世界選手権はすべて準決勝以上に進んだ末続が、まさかの2次予選敗退だ。百メートルとの2冠を狙うゲイ(米国)と同走の3組。得意のコーナーも最後の直線も全く切れがない。厳しい現実を受け入れられないように、ゴール後はトラックにひざを突き、ふらつく足取りで引き揚げた。
「全力を尽くしたけど現時点で自分の力不足。すごい応援だったのに、万全で勝負できずに残念」
異変は、午前中に行われた1次予選終了後に起きていた。20秒47の3組2位で通過したが、レース後に自力で立てない状況に陥り点滴を受けた。20秒70と平凡なタイムに終わった2次予選後は頭痛に加え「あちらこちら、極端に言えば全身」(高野日本選手団監督)がけいれんして医務室へ直行。再び点滴を受け、取材エリアに現れた時にはレース終了から1時間以上が経過していた。
金色の鳳凰(ほうおう)をあしらった派手なユニホームで圧勝した日本選手権から約2カ月。試合に出ることなく練習に集中し、ため込んだ力を爆発させるときを待っていた。2次予選ではブラックダイヤモンド入りの新スパイクも解禁。「このスパイクで走るからには強烈なインパクトのあるレースをしたい」と意気込んだが、自らに課した重圧につぶされてしまった。高野監督は「精神的なプレッシャーかもしれない」と頭を抱えた。
31日には四百メートルリレーの予選がある。末続は「まだリレーもあるので、しっかり調整していきたい」と話したが、色を失った表情を見れば、残された時間で絶好調になるとは思えない。開催国のメダルの期待が、日を追うごとに小さくなっていく。
<高平スタート大失敗>高平慎士(富士通)は2次予選1組で20秒77の7位に沈み、準決勝進出を逃した。スタート反応時間は8人中最下位の0秒187。残り100メートルまでは準決勝に進める4位を争っていたが、直線で大きく失速した。レース後は「スタートでフラッと出てしまった。もっと足を踏み込めば良かった」と反省しきり。「国内大会なら予選でこの記録を出せば満足してしまうが、この舞台ではそうはいかない」と、レベルの高さを痛感していた。
▼神山知也(作新学院大) ラスト30メートルは自分のレースができた。スタートからラスト30メートルまでは納得がいかない。プレッシャーに強くならなければいけない
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