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2007/08/21(火)
肉離れから1カ月で完全復活!北島が100平で貫禄V
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世界競泳2007第1日(21日、千葉県国際総合水泳場)男子100メートル平泳ぎ決勝は、アテネ五輪2冠の北島康介(24)=日本コカ・コーラ=が59秒74で優勝。先月下旬に肉離れを起こした左太ももに痛みが残るなか、自身の国内最高記録もマークした。
日本開催らしい粋な演出に、お祭り男の血が騒いだ。ドンドン、ドコドン…。生演奏された和太鼓のリズムに乗って北島が突き進む。50メートルのターンで抜け、80メートル地点まで世界新ペース。ゴーグルを外し、電光掲示板を見上げた。59秒74。国内初の“1分切り”に左脚の痛みも吹き飛んだ。
「よかった、という感じですね。記録は関係ないです。もっと高いレべルの結果を求めていたのに(故障で)目標を下げなきゃいけなかった。その中で100%は出し切れたと思います」
大会初日の100平で貫禄の優勝。日の丸が揺れる観客席に向かって拳を突き上げた。1カ月前に「左脚内転筋の肉離れで全治3週間」と診断された人間とは思えない泳ぎっぷり。自身の日本記録59秒53にも、あと0秒21と迫っていた。
今大会で宿敵ブレンダン・ハンセンの世界記録59秒13を更新すれば、来年の北京五輪出場が内定する。北島もそこに向けて好調を維持していた。だが、好事魔多し。7月21日の練習中に北島の左太ももが「ブチッ」と悲鳴を上げた。
この日の試合後、平井コーチは「故障さえなければ世界記録も狙えた」と悔しがった。だが北島は「“もし”は考えたくない。けがをしたのはボクの責任です」と冷静だった。昨年はひじ、ひざの故障に泣き、夏はへんとう炎で入院。“厄年”を経験したことで、少々のアクシデントには動じなくなった。
「自分の集中力を高めてレースを楽しむことができた。会場の声も後押しになりましたね」
今大会は宿敵ハンセン(米国)もいない。世界選手権7冠のマイケル・フェルプス(米国)も開幕前にドタキャンした。淋しい真夏の祭典と思いきや、やはり北島はやってくれた。客席に向かって「北京でもう1度勝ちます」と力強く宣言。23日の200平も快泳で猛暑を吹き飛ばす。
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