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2007/07/06(金)
佑ちゃん“不敗”神話は健在…堂々の“日米デビュー”
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「ハンカチーフ・プリンス」が堂々の“日米デビュー”を果たした。日米大学野球選手権は6日、第3戦が行われ、日本が2−1で競り勝った。先発した斎藤佑樹投手(早大)はメジャー候補生が居並ぶ強力打線に対し、6回2安打1失点3三振と力投を見せて勝ち投手となった。最後は斎藤と同じく1年生の村松(国学大)が締め、日本は2勝1敗で、米国開催初Vに王手をかけた。
全米の有望選手が集まっていることで、バックネット裏にメジャー球団のスカウトが訪れて視察。高校3年の夏から公式戦不敗記録が続く斎藤の投球を、大勢のメジャー関係者が目の当たりにした。
斎藤は1回、先頭のフラハティを一塁ゴロに打ち取ってまずは順調な滑り出し。ところが2番フォーサイズを四球で歩かせ、迎える打者は強打者アルバレス。ここでフォーサイズに盗塁を決められて1死二塁のピンチとなったが、アルバレスを見事変化球で空振り三振に切ると、4番スモークも二ゴロに抑えて、立ち上がりを無失点で乗り切った。
2回に日本が荒波(東海大)の2点タイムリー中前打で2−0と先制。2点の援護を受けた斎藤はその裏、先頭のウォーレスに初安打となる右翼線二塁打を許し、パラモアの一ゴロ、ハミルトンの二ゴロでウォーレスが生還し、1点を返された。
3回以降はボールを適度にコースに散らし、的を絞らせない投球で打たせて取って、許したのはわずか1安打のみ。3番アルバレス、4番スモークの中軸を完璧に抑えて6回を2安打1失点と、『メジャー予備軍』を相手に堂々の投球を展開してみせた。
試合前、マリナーズのスカウト、テッド・ハイド氏は「斎藤の投球はこれまでに2回見ているけど、あんまりたいした投手じゃないよ。彼が高校野球で優勝しなかったらあなたもこの球場に来ていないでしょう? でも、大学でも注目されて日本の野球界の将来が彼の肩にかかっている」と話していた。
だが、試合後は「今日の斎藤は良かった。ストレートをそんなに投げずにほとんどが変化球だった。それがうまくはまった。見た感じ、高校の時から変わってないけど、米国チームの打線の調子が悪かったこと、捕手のレベルが上がったこと、守備がよくなったことで、斎藤がより生きた」と『再評価』した。
試合は、7回からは左腕の海田(駒大)が継投、最後は前日の第2戦で最速94マイル(約151キロ)の直球を中心に無失点に抑えて存在感を示した1年生リリーフ村松(国学大)が締め、継投リレーで日本が逃げ切り、今大会2勝目。対戦成績を2勝1敗とした。
試合後、斎藤は「スライダーの調子が良くなかったんですけど、まっすぐが走っていました。フォークとツーシームを投げて、抑えられた。3番アルバレスは意識して投げていました」と振り返り、「松坂さん、桑田さん、岡島さんの投げているのを見ている。カーブで通用するのを面白いと見ている」と“先輩メジャーリーガー”を参考にしていることを明かした。
試合前、河原井監督は「大学選手権の時に見て、いい投手だと思ったが、こんなにいいとは思わなかった。ダーラムの球場のマウンドは大場(東洋大)よりも斎藤の方が合うんじゃないか」と投球フォームが比較的コンパクトな斎藤の対応力に期待を寄せていた。その期待に見事に応える1勝となった。
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