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2007/06/04(月)
“ハネケン”若くして逝く…羽田健太郎さん肝細胞がんで死去
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テレビ朝日系「題名のない音楽会21」(日曜前9・0)の司会などで知られるピアニストで作曲家、羽田健太郎さんが肝細胞がんのため死去していたことが4日、分かった。58歳だった。同局系「ニュースステーション」では富士山頂など名勝地でピアノを生演奏し伝説になった。自称「行動するピアニスト」として活躍した“ハネケン”が若くして逝った。
所属事務所によると、羽田さんは4月上旬に体調が悪化して入院。一時退院したが、5月中旬に再入院し、今月2日午後11時53分、家族が見守る中、都内の病院で静かに息を引き取った。
4月9日に一時退院して行った米歌手、インドラ・トーマスへのインタビュー(5月27日放送「題名のない−」)が最後の仕事となった。
酒豪で知られた羽田さんだが、約10年前に肝臓を患ってからはお酒を断っていた。病床でも「早く治してコンサートをやりたい」と復帰に意欲をみせていたという。
羽田さんは桐朋学園大を卒業後、フリーのスタジオミュージシャンになりクラシックから映画、CM音楽まで幅広く作曲、演奏。「渡る世間は鬼ばかり」「西部警察PARTII」などの音楽を手掛け、編曲家としても活躍した。
羽田さんの名前を一躍全国区にしたのが、テレビ朝日系「ニュースステーション」内のピアノ生中継シリーズ。富士山頂やグランドキャニオンなど名勝地で即興演奏し、話題に。「酔っぱらうとフランス語が出るんです。ウィー…」といっただじゃれや親しみやすい人柄で人気を獲得した。
同番組でメーンキャスターを務めた久米宏(62)は「58歳は若すぎます。仕事に脂が乗ってきてもっともっと味が出てくるはずだったのに…。とても残念です」と盟友の死を悼んだ。作曲家、千住明氏(46)も「クラシックとポップスの垣根を取り払うことを率先して行っていた。作曲家としてもピアニストとしても唯一無二の存在。人に伝えるために譜面に個性を入れて音楽を輝かせることなど、妹(バイオリニストの千住真理子さん)とともに学ぶことが多かった。今までやってこられたことを継承していかなくては」と羽田さんの功績を称えた。
羽田さんは全盛期には年間100回の演奏会に出演。精力的に地方でコンサートを開くなど、クラシック音楽の大衆化にも尽力していた。
「題名のない−」では平成12年4月から計353回出演。一時は5月17日収録分から復帰予定だったが、体調が回復せずかなわなかった。
同局の鬼久保美帆プロデューサーは「幅広い知識と力強い演奏で番組を築き上げてくださいました。番組にとって得がたい方を失いました」。同番組では10日に追悼企画を放送する。
通夜は6日午後6時から、葬儀・告別式は7日午前10時から東京都港区元麻布1の6の21、善福寺で。喪主は妻、幸子(さちこ)さん。
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