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2007/06/03(日)
早大2季連続39度目の優勝! 斎藤佑は6回4失点で4勝目
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頼れる1年生右腕がチームを王座に導いた。
3日の東京六大学野球春季リーグで39度目の優勝を飾った早大。
その原動力となったのは慶大戦でリーグトップに並ぶ4勝目を挙げた斎藤佑樹投手(18)=早稲田実=だった。1年生が春のリーグ戦で先発して4連勝したのは、1927(昭和2)年の故・宮武三郎(慶大)以来80年ぶり。昨夏の甲子園の主役が学生野球の“聖地”で3度宙を舞い、満員の3万6000人のスタンドを沸かせた。
六回に2点を返され、なお1死一、三塁。斎藤投手は右打者の内角を突いたが、連続死球でさらに1点失った。すると、くるりと中堅方向を向き、スパイクのひもを結び直す仕草をした。試合後、斎藤投手は「(ひもは)ほどけていなかったが、とりあえず間を置きたかった」と明かした。驚くほどの冷静さで最大の危機を切り抜けた。 「中学時代からあこがれていた」という伝統の早慶戦。斎藤投手を支えたのは、昨夏の甲子園の経験があったからだ。駒大苫小牧高(北海道)との決勝は37年ぶりの引き分け再試合となる激闘。2日間で300球近くを投げ切った自信が、ピンチにも動じないたくましさを身に着けさせた。
リーグ戦開幕直前の3月、プロ野球・西武から早大部員(その後退部)への金銭供与が発覚した六大学野球だったが、「斎藤人気」で活況に沸いた。東京六大学野球連盟によると、リーグ戦での満員は97年春の早慶2回戦で4万6000人を集めて以来10年ぶり。昨春の早慶2回戦の1万5000人を大幅に上回った。 2日続けて観戦に来た横浜市の主婦、田口千恵子さん(65)は「息子は慶大OBだが、ピンチになると佑ちゃんを応援してしまった。学生時代の息子とダブって見えますね」と話していた。
06年9月、大学進学を表明した際、「大学で選手としても人間としても成長したい」と抱負を語った斎藤。「昨年夏からの運も、もう使い切るころ。これから本当に実力が試されると思うし、秋(のリーグ)に向け、夏場にしっかり鍛えたい」。しっかりと前を見据え、さらなる成長を誓った。
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