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2007/05/03(木)
横山ノックさん咽頭がんで死去
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前大阪府知事でタレントの横山ノックさん(本名・山田勇=やまだ・いさむ)が3日午前7時15分、中咽頭(いんとう)がんのため兵庫県西宮市の病院で亡くなった。75歳だった。ノックさんは約3年前からがんを患い、1度は手術、治癒したものの昨年末ごろから再び体調を崩し入退院を繰り返していた。コント、司会で活躍し、68年に参院全国区で当選して政界入り。95年には大阪府知事選に当選し、99年にわいせつ行為で在宅起訴されるまで4年8カ月務めた。通夜、葬儀は近親者のみで密葬の形で行われる。喪主は長男一貴(かずたか)氏。 ノックさんは3年ほど前に咽頭がんと診断され、一昨年には手術、放射線治療を受け1度は治癒していた。しかし心臓に持病を持っていたこともあり、昨年後半からは入退院を繰り返しながら病魔と闘ってきた。最後まで体調回復を目指してきたが、ついに力尽きた。闘病中もごく一部の関係者にしか入院先を知らせず、はっきりした病名も告げていなかった。最近では車いすに乗って移動する姿を目撃されたり、親しい友人には「(腹から)声が出ない」と漏らすこともあったという。 親しい関係者によると、今年1月には横山たかし・ひろし、プリンら横山一門会が行われノックさんを含め約15人が出席。その時は「横山一門はお前らが盛り上げてくれよ」と後輩らを叱咤(しった)激励した。 最期は当初、ごく親しい関係者にしか知らされず、この日夜になって喪主の長男一貴さんがマスコミ各社にファクスで通達。「葬儀並びに告別式は親族だけの密葬とさせていただきますのでご理解を賜りたく、伏してお願い申し上げます」と送り、後日「お別れの会」を開くことを明かした。 ノックさんは神戸市出身。戦後、米軍施設で通訳などしていたが55年、芸人を志し宝塚新芸座に入団。秋田Bスケ氏に弟子入りし「秋田Oスケ・Kスケ」のKスケとしてデビューした。その後、横山エンタツに再入門し59年、上岡龍太郎らと漫画トリオを結成。「パンパカパーン、今週のハイライト」でおなじみのニュース漫才で爆発的人気を得た。 68年、参院選全国区に無所属で立候補し当選。タレント議員の草分け的存在としてお笑い、政治家を両立させ、その後は全国区2回、大阪選挙区で2回、参院選に当選。その髪形から自らを「タコ」と呼び、政治家となっても強烈なボケ役を徹底させ、テレビでも唇を突き出して体をくねらせ「タコ踊り」などと笑わせた。 95年4月には大阪府知事選に出馬し初当選した。無党派を旗印に、議会のほとんどが野党という状態だったが、その愛されるキャラクターで府民からの人気は高く99年2期目には235万票という過去最高得票で再選した。 しかし、この選挙期間中に運動員だった女子大生からわいせつ行為を受けたとして告訴された。当初は「知事を侮辱するのか!」「まったくの事実無根」などと猛烈に否定したが同年12月に在宅起訴され辞職。裁判では「すべてを失うのが怖くて」と一転、罪を認め翌年8月執行猶予付きの有罪判決を受けた。 04年2月には大阪・なんばのワッハ上方で行われたイベントに出演して約4年ぶりに芸能活動を再開したものの、体調の悪化もあり、かつてのような明るさを振りまく機会はめぐってこなかった。
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